King & Prince 高橋海人、『ドラゴン桜』は出世作に? 巧みな表情の演技に脱帽

 2005年に放送された前作から約16年を経て帰ってきた、『ドラゴン桜』(TBS系)の視聴率が好調だ。原作は前作の10年後が描かれた続編漫画『ドラゴン桜2』だが、ドラマならではのオリジナルエッセンスが多分に加えられている。前作や原作との違いにはじめは戸惑う視聴者もいたようだが、第3話では「バカとブスこそ、東大に行け!」という例の名台詞も飛び出し、桜木建二(阿部寛)の熱さが多くの視聴者の心を打っていた。

 『ドラゴン桜』第2シーズンの舞台は、前作の龍山高校に匹敵するほどの底辺高校「龍海学園」。桜木の元教え子だった水野直美(長澤まさみ)は弁護士となって独立したが、事務所の経営に行き詰まっていた。そこで龍海学園から「翌年東大合格者5名を出す」という条件で依頼を受けることに。桜木を呼び戻し、ともに教育の場へ再び足を踏み入れる。

 ところが龍海学園は、とにかく落ちこぼれ校だ。偏差値は32で、“ヤンチャ”な生徒も多数。さらに理事長の龍野久美子(江口のりこ)の妨害もあり、東大専科を立ち上げるだけでも一苦労であった。そんな中、キーとなる生徒の一人、瀬戸輝を演じているのが、King & Princeの高橋海人だ。瀬戸は偏差値28の学年最下位だが、学園近くのラーメン屋「瀬戸屋」を1人で切り盛りする姉を手伝う心優しい生徒。第1話、第2話では万引きをしてしまった岩崎楓(平手友梨奈)を守るために、桜木を妨害したり、学校に忍び込んで桜木が保有している万引き映像を盗み出そうとしたり、なかなかに過激な行動を取っていた。だが、岩崎が起こした放火の罪をかぶるため自分がやったと名乗り出るが、桜木に恩を着せられる形で助けられる。結果、東大専科に所属することとなってしまう。第3話では徐々にやる気を見せたかと思いきや、家庭の事情により学校を休むこととなってしまっていた。

 瀬戸は、高橋にとって初となるエッセンスが多々詰まっている役だ。というのも、高橋が過去に演じてきた役の多くは、あっけらかんとして明るい役ばかり。『部活、好きじゃなきゃダメですか?』(日本テレビ)の西野役は、ずる賢く器用でサッカーが上手いがサボりたいタイプ。ふざけているシーンも印象的だった。『ブラック校則』(日本テレビ系)の月岡中弥役もそうだ。主人公の小野田創楽(Sexy Zone・佐藤勝利)とは反対に、飄々と予測不能な行動を取る掴みどころのない高校生であった。“King & Princeの高橋海人”として、グループの末っ子としてゆるかわ、甘えん坊、愛嬌たっぷりといった姿を見せてきた高橋にとって、西野や月岡といった役は親和性が高かったはずだ。『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)の安達和輝役も、そういった高橋の面が活きていたのではないだろうか。

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