杉咲花演じる千代よ、どうか自分を大切に 『おちょやん』戦争週よりも辛かった第20週

 4月17日放送の『杉咲花のFlower TOKYO』(TOKYO FM)にて、杉咲花は『おちょやん』(NHK総合)第20週について、「とうとう放送されることが恐ろしいような、でも早く観てもらいたいような。今は胸がざわざわしている回になっています」と話していた。

 そんな予告が示すように第20週「何でうちやあれへんの?」で、千代(杉咲花)は一平(成田凌)と灯子(小西はる)の浮気、妊娠をきっかけに離縁。月曜日の千代の強烈な「はぁ?」に始まり、記念すべき第100回となった金曜日は千代が道頓堀を離れるという、戦争週とは全く違った重苦しい空気が立ち込めている。

 そんな中、上演となる鶴亀新喜劇1周年興行。演目は「お家はんと直どん」の再演だ。

「生娘の初恋を踏みにじったドタヌキのくせに!」
「わしはあの時からずっとあんさんのことを思ってましたんやで」
「ほかの奥さん貰て娘さんまでいてるくせに!?」
「それとこれとは話が別やがな」

 会場は爆笑に包まれているが、2人の置かれた立場を知っていると笑えない喜劇へと様変わりしてしまっている。手を叩いて笑う観客に混じって、大人しく舞台を見つめる宗助(名倉潤)、シズ(篠原涼子)、みつえ(東野絢香)、一福(木村風太)の姿が目立つ。

 そんな舞台の上で千代と一平は気持ちを通わせる。「けど……」の言葉に続くのは、伝えられなかった心情。一平の「わしはあの時からずっとあんさんのことを思ってましたんやで」というセリフに、千代の頭には幼少期からの一平との思い出がフラッシュバックする。

 一平が父・天海天海(茂山宗彦)を亡くした時も、鶴亀家庭劇を旗揚げした時も、千代が、一平が独りになった時も、2人はいつもそばにいた。千代にとってはテルヲ(トータス松本)、ヨシヲ(倉悠貴)とのつらい別れがあったが、今回は気持ちの別れ。目の前に一平はいるが、関係性は他人。それでも役者として、いつもと変わらぬ演技をしなければならない。千代がすすり泣く場面は、端から観ていても長くつらい時間だ。

 その姿を最後に千代は道頓堀を出ていく。同じ独り身である、みつえ、香里(松本妃代)と千秋楽が終わったら新しい座布団を買いに行くという約束を果たすこともなく。