上野樹里×風間俊介の“成長”の軌跡が 『監察医 朝顔 新春SP』は物語を繋ぐ重要なスピンオフに
「あいつ結婚したら、どんな奥さんになるんだか」
「大丈夫よ。だってあの子……」
物語冒頭、平が夢に見る里子との会話は、朝顔と平の2人旅のラストを繋ぐ重要なフックになっている。里子の言葉の続きは「朝顔は私とあなたの子だから大丈夫。絶対、いいお母さんになる。私が保証する」。つぐみが今よりまだ幼い頃、必死に母親である自分を必要として泣きじゃくる姿に「私が生きてる限り、この子のこと大事にしよう」「この子のためなら何でもしてあげたい」と朝顔は思った。その思いを聞いての平、里子の言葉である。平はこの旅行の後、仙ノ浦に移住。こうやって日常の中にある当たり前の幸せが描かれば描かれるほど、朝顔が平の後ろ姿に感じた胸騒ぎや、平が朝顔に電話越しに告げた「じゃあな、里子。朝顔によろしく」という言葉の真意を考えてしまう……。
ほかにも、美容専門の皮膚科から最終的にテレビのコメンテーターを目指していた若き光子(志田未来)の姿や、家でお留守番の桑原とつぐみと一緒にもんじゃを焼く山倉(戸次重幸)と森本(森本慎太郎)、弟をせがみ桑原を困らせるつぐみ……と見どころたっぷりの『新春SP』。スピンオフドラマ『森本刑事のオジさん監察日記』(FOD)を含め、『特別編』、今回の『新春SP』と『朝顔』の物語と物語を繋ぐアナザーストーリー、スピンオフ的作品は定期的に制作してほしいと願う。
次回第10話では、光子が執刀デビューでまさかの事態に。『新春SP』を経て、シーズン2後編がスタートする。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter
■放送情報
『監察医 朝顔』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~放送
(2020年秋・2021年冬2クール連続)
出演:上野樹里、時任三郎、風間俊介、志田未来、中尾明慶、森本慎太郎(SixTONES)、藤原季節、斉藤陽一郎、坂ノ上茜、田川隼嗣、宮本茉由、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、加藤柚凪、戸次重幸、平岩紙、三宅弘城、杉本哲太、板尾創路、山口智子、柄本明ほか
原作:『監察医 朝顔』(実業之日本社)
脚本:根本ノンジ
プロデュース:金城綾香
演出:平野眞、阿部雅和
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/asagao2/