同じ枠で再起用することのメリットとはなんだろうか。成馬氏はその理由を「女優を育てられるところ」にあると語る。

「同じ枠のドラマに繰り返し出演することで、“枠が育てた女優”というイメージが作れます。他局で活躍した人を後から起用するよりも、自分たちのドラマ枠で、視聴者といっしょに俳優として成長した方が、長い目で見たときにファミリー感が生まれ、番組も盛り上がるんですよね。トレンディドラマの時代で言うと、浅野温子さん、浅野ゆう子さん、鈴木保奈美さんをフジテレビが月9のドラマに積極的に起用して、育てることに成功しました。以前は映画とテレビが今よりも棲み分けられており、映画スターがドラマに出ることが滅多にありませんでした。そうなると月9などのドラマ枠は、テレビドラマでスター俳優を輩出するという意識が強くあり、同じ役者をローテーションで起用し、女優が育っていくことで、枠そのものもいっしょに育っていくというサイクルがありました。『ボクたちのドラマシリーズ』のようなティーン向けのドラマに出演していた観月ありささんや内田有紀さんといった女優がドラマと共に成長していった流れも過去にはありましたので、自分たちの手で若手俳優を育てようという流れがテレビドラマに戻ってきているというのは、面白い傾向だと感じます」

　今後は、ドラマ枠から育まれる新たなスター女優の誕生も注目ポイントになりそうだ。

■放送情報
火曜ドラマ『オー！マイ・ボス！恋は別冊で』
TBS系にて、1月12日（火）スタート 毎週火曜22:00～22:57放送
出演：上白石萌音、菜々緒、玉森裕太、間宮祥太朗、久保田紗友、亜生（ミキ）、秋山ゆずき、太田夢莉、高橋メアリージュン、なだぎ武、高橋ひとみ、倉科カナ、ユースケ・サンタマリア
脚本：田辺茂範
演出：田中健太、石井康晴、山本剛義
プロデューサー：松本明子
編成：宮崎真佐子
製作：TBSスパークル、TBS
(c)TBS

『モコミ～彼女ちょっとヘンだけど～』
テレビ朝日系にて、1月23日（土）スタート 毎週土曜23:00～23:30放送
出演：小芝風花ほか
脚本：橋部敦子
演出：竹園元（テレビ朝日）、常廣丈太（テレビ朝日）、鎌田敏明
音楽プロデュース：S.E.N.S. Company
音楽：森英治
エグゼクティブプロデューサー：内山聖子（テレビ朝日）
プロデューサー：竹園元、中込卓也（テレビ朝日）、布施等（MMJ）
制作著作：テレビ朝日
制作協力：メディアミックス･ジャパン（MMJ）
企画協力：オスカープロモーション
(c)テレビ朝日