ニコール・キッドマン&ヒュー・グラント、『フレイザー家の秘密』での初共演について語る

 ニコール・キッドマンとヒュー・グラントが初共演を果たすHBOドラマ『フレイザー家の秘密』。キャストと監督からのコメントが公開された。

 「BS10 スターチャンネル」にて2021年1月27日23時より独占日本初放送される本作は、デヴィッド・E・ケリーとニコール・キッドマンが、『ビッグ・リトル・ライズ』以来の再タッグで手がける、『You Should Have Known』(ジーン・ハンフ・コレリッツ著)を映像化した、セレブライフを送る登場人物に降りかかる困難を描く心理サスペンス。

 マンハッタンで医師の夫・ジョナサン(ヒュー・グラント)と名門私立校に通う息子とともに、幸せなセレブ生活を送る臨床心理士のグレイス(ニコール・キッドマン)。ある日、息子の学校に通う生徒の母親が殺害される痛ましい事件が起き、時を同じくして夫が姿を消す。それから夫にまつわる彼女の知らなかった事実が次々と明らかになり、事件はニューヨーク中が注目する裁判へと発展。完璧だった彼女の人生が、音を立てて崩壊していく。

 主演のキッドマンは、ケリーとの再タッグについて「彼が作りたいと思うものならどんなものであっても私も一緒に作りたい、と彼に伝えた。そして彼がこのドラマの最初の2話分を送ってくれて、もう参加を決めた。彼のように中毒性のあるスリリングな物語を書ける脚本家は他にはいない」と参加の経緯を語る。また「私たちにとってこのドラマを手掛けられる唯一無二の人がスサンネだった。もう何年も前から彼女と仕事がしたいと思っていた。彼女は本物のフィルムメーカーであり、アーティストであり、ストーリーテラーであり、物語を最高のものにできる手腕の持ち主でもある。彼女が手掛けたTVシリーズ『ナイト・マネジャー』も映画『未来を生きる君たちへ』も大好きだった。今回、彼女がこのドラマを引き受けてくれてとてもラッキーだった」と、監督を務めるスサンネ・ビアを抜擢した理由を明かす。

 今回、初共演となるグラントについては「ヒューの起用はスサンネのアイデア。素晴らしいと思った。ヒューのことは昔から知っていたし、お互いにいつかぜひ共演してみたいと思っていた。彼がジョナサン役に吹き込んだ魅力や愛嬌、知性を彼と同じようにできる役者なんていない。このドラマはヒューの存在なしではうまくいかなかった。本当に他にはいない素晴らしい役者。ヒューはとても人好きする人物。どんな役でもこなせてしまう。あのカリスマ性と好感度を持つ人は彼をおいてほぼ皆無だし、まさにジョナサンに必要な要素だった。役作りについて、ヒューも私もその瞬間を心のままに演じることを大事にするタイプ。それでいて入念な準備もするタイプなの。だからヒューは撮影開始の何カ月も前からすでに脚本が全部頭に入っていた」と演技に太鼓判を押す。監督がグラント起用のアイデアを出し、キッドマンが熱烈なラブコールを送ったという。

 グラントは、本作の出演経緯について「実はスサンネ・ビアと僕の間には不幸な過去があってね。10年ほど前にお互いにとても気に入ったある脚本があったんだ。彼女はすぐに映画化したいと考えていたんだが、僕が『もう少し手を加える必要があると思う』と伝えたんだ。それに対して彼女が『いいよ』と言ってくれてから約1年間、彼女はすべての仕事を断ってその企画に取り組んでくれたにも関わらず、挙句の果てに僕が『やっぱり映画化は無理だね』と言って企画から降りてしまった。僕のせいで彼女は家も失って子供も養えなくなったというわけだ。だから彼女がこの企画に僕を起用したがっていると聞いてとても驚いたよ。絶対に嫌われていると思っていたからね。僕自身は彼女が手掛けたデンマーク作品の大ファンだったから――どれも素晴らしい作品だよ――彼女の存在が僕にとってはプラス要素だった。それにデヴィッド・E・ケリーも大きなプラス要素だったし、ニコール・キッドマンもそうだった。最近は色んなオスカー女優と共演するのが好きでね。何しろ共演すれば僕も一流の役者のように見えるからだよ(笑)」とジョークを交えて語った。

 また、『パディントン2』に出演しているグラントだが、奇しくも『パディントン』にも出演していたキッドマンとの初共演。キッドマンについては、「最初から驚くほど楽だったよ。メリル(・ストリープ)と共演した時を思い出した(『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』)。どちらも完全に素の状態でやってきてカメラが回るとその瞬間を演じるんだ。だから同じ演技は2度と見せない――まったく違う演技を見せるんだ。さらにどちらも自分の演技にこだわるのではなく、共演者との演技を大事にする。相手の演じ方次第で自分の演技も変えられるんだよ。そういう人たちこそが名優と呼ばれるのだろうし、ふたりはその中でも最高峰の演者たちだ。おかげでニコールとの共演はメリルの時と同様にまるで上級特別クラスを受けているような気分だったよ。彼女とは今回が初めての共演だったけれど、顔を合わせればいつも気が合う者同士だったしね」と初共演にも関わらず、彼女の技術に賛辞を送った。

  全6話を監督したデンマーク出身のビア監督は、現代的なテーマを下敷きにしたスリラーが描かれる本作について「私たちは他人をどこまで知ることができるのか? 果たして自分の直観をどこまで信じることができるのか? 自分が目にしたものをどこまで信用できるのか? といったことがこの物語のメインテーマ。これらは私たちみんなが人生の中で多かれ少なかれ直面する問題ね。誰でも経験したことがあるでしょうし、今後もあり得ることだけにすごく面白くて興味深いことだと感じた。さらに言えば、成功を収め、聡明で美しいグレイスのような女性を崩壊の中心に置いたらすごく面白くてたまらないんじゃないかと考えた」と本作に込められたテーマを語った。


■放送情報
HBOドラマ『フレイザー家の秘密』(全6話)
【放送】字幕版
BS10 スターチャンネルにて、2021年1月27日(水)より毎週水曜23:00〜ほか
※2021年1月23日(土)19:45~第1話<先行>無料放送
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