役者・菊池風磨の魅力は綿密に作り上げられた“人物像”にあり 『バベル九朔』でさらなる挑戦へ

 連続ドラマ初主演作『吾輩の部屋である』(日本テレビ)は、出演者が菊池ひとりという挑戦作だった。そして、彼にとって2本目の主演作こそ現在放送中の『バベル九朔』(日本テレビ)。こうも難役ばかりを背負って立つとは、つくづく上昇志向の高い男だ。

 原作は万城目学による同名小説。摩訶不思議な世界を、果たしてどう映像化していくのか、早くも話題となっている。公式サイトには「全編ずっとビルのなか。」というコピー。チャレンジングな作品になりそうだ。共演には池田鉄洋や村松利史ら個性派が名を連ね、友人・後藤健役として、旧知の仲であるSixTONES高地優吾も出演する。

 菊池が演じるのは、脚本家を目指す青年・九朔満大。執筆に専念すべく、1年間限定で雑居ビル「バベル九朔」の管理人を務めることになった満大は、とある扉を開いたことをきっかけに、現実とは似て非なる“バベル”の世界に迷いこむ。

 画面越しにも漂ってくる不穏な空気とひしめく違和感のなか、満大は唯一「普通の人間」として立ち回り続ける役どころだ。異世界での出来事に翻弄される難しさを演じている。

 視聴者は満大とともに、逃げ出したくなるほど奇妙で、なにもかも解らない世界に放り込まれる。満大は主人公でありストーリーテラー。視聴者にとって唯一のしるべであり、現時点ではただひとり、信頼できるキャラクターだ。この先進んでいく物語を理解できるか、世界観に没入できるかは菊池の腕次第ともいえる。はっきり言って難役だが、菊池がどう演じていくのか、楽しみでならない。今回もおおいに期待しているから、してやったりと遠慮なく、我々の想像を裏切ってほしい。

※高地優吾の「高」ははしごだかが正式表記。

■新亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
Twitter

■放送情報
『バベル九朔』
日本テレビにて、毎週月曜深夜24:59~放送
※Huluでも配信
出演:菊池風磨(Sexy Zone)、高地優吾、池田鉄洋、佐津川愛美、前原滉、アキラ100%、村松利史、上地雄輔ほか
原作:万城目学(角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:田中眞一 吹原幸太
監督:筧昌也、田中健一
音楽:野崎美波
チーフプロデューサー:福士睦
制作プロダクション:ダブ
(c)NTV・J Storm
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/babel/
公式Twitter:@babel_ntv
公式Instagram:@babel_ntv

関連記事