中村倫也が持つ役者としての責任感 『美食探偵 明智吾郎』に至るまでの必見3作品を振り返る

『半分、青い。』

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 先の二本などでの活躍を経て、中村倫也が大ブレイクした作品がNHK連続テレビ小説『半分、青い。』だ。この作品で演じた「マアくん(朝井正人)」は、重めの前髪に、セーター姿。喋り方もおっとりした「ゆるふわ」キャラ。しかし、当時(作品初登場時は1990年前後)のボディコン・ワンレンギャルにモテモテで、彼女たちが家の前に現われても、あっさり袖にしたりする危険なモテ男でもあるという役どころだった。

 こうした若い男女の恋愛模様を描いたドラマでは、単にヒロインに尽くし、優しいだけでふられて退場してしまうような“二番手当て馬キャラ”というのも多いが、転んでもただで起きない感じのキャラクターなのが中村倫也らしい。

 劇中、ヒロインの鈴愛(永野芽郁)といい感じになったかと思えば、そのいい感じMAXのところでヒロインを突き飛ばす酷い男っぷりにびっくりもしたが、そんな展開を見せた直後にドラマから一旦退場すると、その思惑通りに「マアくん」ロス現象を生み出した。

 もっとも、これについても中村は『GALAC』のインタビューで「脚本を読んで、魅力のあるキャラクターだからこそ、役者の使命としてロスを起こさないといけないと思った」と語っている。やはり責任感が感じられる。

 常に自分という存在を、作品がより良くなるために置いているような発言が多い中村倫也だが、今後は作品の真ん中にいることも多くなるだろう。ゴールデン・プライムの帯ドラマで初主演である『美食探偵 明智五郎』での活躍も楽しみである。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
『美食探偵 明智五郎』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜23:25放送
出演:中村倫也、小芝風花、佐藤寛太、富田望生、北村有起哉、小池栄子、武田真治、仲里依紗、志田未来、財前直見、モロ師岡、宮崎哲弥(写真)
原作:『美食探偵 明智五郎』東村アキコ(集英社『ココハナ』連載)
脚本:田辺茂範
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:荻野哲弘、本多繁勝(AX-ON)、西紀州(AX-ON)
協力プロデューサー:吉川恵美子
演出:菅原伸太郎、水野格ほか
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/bishoku/
公式Twitter:@bishoku_ntv

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