『いだてん』“東洋の魔女”の主将・安藤サクラが語る 「大河ドラマならではのぜいたくな経験」

 毎週日曜日に放送されている大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)。“東洋の魔女”の主将・河西昌枝を演じる安藤サクラより、コメントが寄せられた。

 宮藤官九郎のオリジナル脚本をもとにした『いだてん』は、1964年の東京オリンピックまでの半世紀にわたる日本とオリンピックとの関わりを描くドラマ。1964年の東京オリンピックへ向けて、物語は最終幕に突入している。

 安藤が演じる河西昌枝は、卓越したリーダーシップでチームを統率した女子バレーボール日本代表チームの主将。1962年にモスクワで開催された世界選手権で当時無敵だったソ連に勝利し、1964年東京オリンピックでも再びソ連を下して、日本中にバレーの大ブームを巻き起こした。

 安藤から寄せられたコメントは下記の通り。

安藤サクラ(河西昌枝役)コメント

『いだてん』に出演して

まさか、イチ視聴者として拝見していた大好きな『いだてん』にお声掛けいただけるとは! 物語も後半に差し掛かっていましたし、このタイミングで呼んでいただけるなんて想像も していなかったので、心がウキウキするほどうれしかったです。

しかも、東京五輪で金メダルを取った「東洋の魔女」のメンバーで、女子バレーボール日本代表の河西昌枝さんを演じるという大役。正直、私はバレーボール経験者ではないので少し不安もありましたが、脚本を拝見すると出演シーンも多くはなかったので、「これならお受けできるかも」と決断しました。

バレーボールの撮影で苦労した点

バレーボールの練習は1日2時間程度で10日間ほど日程が組まれていたと思います。私のようなバレーボール初心者が、オリンピックに出場する日本代表選手のように見えるようになるためには短すぎる時間だったかもしれません。

でも、バレーボールの練習や撮影には、斎藤真由美さんやヨーコ・ゼッターランドさんというそうそうたるプロの方たちが実技指導に入ってくださり本当に感謝しています。撮影のためとはいえ、一流の方にご指導いただけるなんて光栄でした。大河ドラマならではのぜいたくな経験だったと思います。

できないなりに、形にするのは簡単ではありませんでした。私のような“シロウト”が東洋の魔女の回転レシーブをすると、全身に見たことのないようなアザができる、ということだけは皆さんにお伝えしておきたいです。

 河西選手を演じる上で準備したこと

河西選手はいつも爪に透明マニキュアを塗っていらしたと伺い、バレーボール一色の生活の中にも女性らしさを大切にされていたエピソードだなと、とても心に残りました。それから写真を拝見したら、河西選手は印象的なパーマをかけていらして、大変おしゃれな方だとも感じたんです。ですから私も演じる際は髪型や爪など、細かいところもちゃんとしたい、と思いました。

大松監督も河西さんをはじめとする選手たちも太平洋戦争を経験して東京五輪に臨んだ世代。あの時代を生き抜いた人たちだからこそ出せるエネルギーというのはあると思いますし、私もその時代の人たちが持っていた熱量に少しでも近づけるよう、その思いに応えられるように、気持ちを持っていきたいと考えて演じていました。

宮藤官九郎脚本について

やっぱりすごく楽しかったです。『いだてん』もそうですが、読んでいて「やりたい! この世界に入っていきたい!」と、強く思わされるのが宮藤さんの脚本の魅力だと思います。

また、現場に入ってみて『いだてん』の世界は宮藤さんの脚本の1行のト書きが、100倍く らいになって描かれているのだとも感じました。そういう監督たちはじめ、制作するスタ ッフの皆さん、俳優の皆さんの思いでふくらんでいるのだと。

視聴者へのメッセージ

監督から、東洋の魔女のバレーボールパートは『いだてん』で描いてきた女子スポーツの集大成的な意味も担っていると伺い、とても重要な役目だと感じていました。演じられて本当にありがたいですし、こうした形で参加できることはすごくぜいたくなことだと改めて思いました。

朝ドラの『まんぷく』でも感じましたが、NHKのドラマは回によって演出される監督が違うので、いろんな監督と撮影ができるのも醍醐味なんです。朝ドラは1年半近くという長い期間ですが、今回は短い期間の中でもまたそういう出会いを経験できて、私はNHKのドラマの現場が大好きだなぁと改めて思いました。役者としてまた貴重な経験をさせていただいたと思っています。皆さんにも楽しんでご覧いただけたらうれしいです。

■放送情報
『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』
[NHK総合]毎週日曜20:00~20:45
[NHK BSプレミアム]毎週日曜18:00~18:45
[NHK BS4K]毎週日曜9:00~9:45
作:宮藤官九郎
音楽:大友良英
題字:横尾忠則
噺(はなし):ビートたけし
出演:阿部サダヲ、中村勘九郎/綾瀬はるか、麻生久美子、桐谷健太、斎藤工、林遣都/森山未來、神木隆之介、夏帆/リリー・フランキー、薬師丸ひろ子、役所広司
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/idaten/r/

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