『3人の信⻑』インタビュー

TAKAHIRO×市原隼人×岡田義徳が語る、『3人の信⻑』で体現した三者三様の演技論

市原「遊び場を提供していただいた」

ーー今回は島根に泊まり込んでの撮影だったんですよね。作品としても、みなさんのリレーションシップが芝居においても大事になってくるのかなと。

市原:そうですね。島根では四六時中一緒でした。

TAKAHIRO:現場が終わってサウナに行っても会うし、お風呂に行っても会うし(笑)。撮影もタイトな期間だったので、特に意識せずとも自然と信頼関係ができ上がっていった部分はあったかなと思います。朝から晩までずっと一緒だったので密にコミュニケーションをとることができました。後半に一度だけ一緒に食事に行く時間がとれたのですが、その頃にはすでにかなり仕上がった仲だったので(笑)。現場でお話をする中で、お互いの人柄や人となりを知れて、僕ら3人のみならずキャスト・スタッフ全体のチームワークにつながったと思います。

ーーその3人のいい雰囲気が演技やセリフの掛け合いにも出ていますね。印象的だったシーンはありますか?

岡田:やっぱり虫を食べるシーンかな?

TAKAHIRO:そうですね。何でもないシーンですけど、芋虫シーンはすごく楽しみでした(笑)。

岡田:隼人の「目があった」って秀逸だなぁと(笑)。

市原:僕たち信長3人に遊び場を提供していただいたという感じでした。そこでお客さまをもてなしたり、他のキャストをお出迎えするような気持ちで過ごしていました。

岡田「どう壊すか、どう新しい風を入れるか」

ーー3人の信長もそれぞれキャラクターが違いますが、芝居において意識したところは?

岡田:僕は「つかみどころがない」という信長だったので、みんなと同じ方向を向かないとか、2人に疑問符を抱かせるという部分を意識してお芝居に挑んでいたところはありますね。リズムをちょっとずらしたり違和感が生まれるようなことを試しながら。この2人が作ってくれる空気があるので、それをどう壊すか、どう新しい風を入れるかが芝居する上での楽しみになっていました。

TAKAHIRO:乙(隼人演じる信長)は一本筋が通っている男で、丙(岡田演じる信長)は飄々としていたので、僕は隙間産業じゃないですが(笑)、その真ん中を模索していましたね。みんな外見などは一緒ですがもともと持っている特性は別なので、各々が自分なりの信長を演じることで、違うものになっていくのかなと。全体のテンポを考えて、出るとこは出て、引くとこは引き、自分ひとりで役作りを努力するというよりも、この2人に引っ張られていったところはあったのかなと今振り返ると思いますね。

市原隼人

市原:僕は、3人でいる時には自分を崩さず信念を貫き、1人になった時に違う空間が作れたらいいのかなと思っていました。自分の素性を話すシーンがあって、1人だからこそ見せる弱さや繊細な部分を醸し出せたらと。そこがフェイクなのか本当なのかは、是非劇場で確かめていただきたいです。あとは、命がけの嘘つき合戦だからこそ、リアリティ感を求めて向き合っていました。

ーーこれまで様々な映画やドラマなどで織田信長にまつわる物語が作られてきましたが、演じたからこそ気づいた信長の魅力はありますか?

岡田:もちろん今や誰も実際には会ったことのない歴史上の人物で、いろんな説がありますよね。本当はどんな人物だったかわからないからこそ、それを考えさせる魅力を持った人だと思いました。下から這い上がってきた人ですし、だからこそいろんな顔を持っていて、人を大事にしたり、つらい経験を乗り越えて天下統一をしようとしたエネルギーを持った人なのかなと。

TAKAHIRO:教科書や作品を通してしか知らない部分がたくさんあって、信長という一人の男が戦国時代を生きたことは事実で。彼の周りには大勢の人がいて、信長のために命をかける人もいて、信長自身も天下統一のために戦国時代を生き抜いた。この作品を通して、そういった信長の人生のひとかけらを演じさせていただいて光栄に思います。短い人生を世に捧げられる心意気は到底真似できないですし、男としてはすごく憧れますね。

市原:戦国時代を生き抜いて天下統一をしたという強者で強い心意気を持ちながら、信長は猫嫌い・相撲好き・新しいもの好き・うつけ者でもあります。民を哀れんだり、自分より位の低い者の立場にも立てる人で、僕はその人間臭さがすごく好きです。

(取材・文=若田悠希/撮影=藤本孝之)

■公開情報
『3人の信長』
全国公開中
出演:TAKAHIRO、市原隼人、岡田義徳、相島一之、前田公輝、奥野瑛太、坂東希、高嶋政宏
監督・脚本:渡辺啓
配給:HIGH BROW CINEMA
製作:「3人の信長」製作委員会
(c)2019「3人の信長」製作委員会
公式サイト:3nin-nobunaga.jp
公式Twitter:@3nin_Nobunaga
公式Facebook:www.facebook.com/3nin.nobunaga/

<TAKAHIRO>
ヘアメイク=下川真矢、スタイリスト=渡辺康裕
シャツ¥32,400(税込)(MINEDENIM×WACKO MARIA/MINED)
その他スタイリスト私物
MINED
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-5-8
03-6721-0757

<市原隼人>
ヘアメイク=大森裕行(ヴァニテ)、スタイリスト=小野和美(ポストファウンデーション)

<岡田義徳>
ヘアメイク=岩井マミ、スタイリスト=吉田幸弘 
カーキブルゾン¥33,000+tax(NEXUSVII./V.E.L./tel 03-5771-4774)
パンツ¥16,000+tax(TIGRE BROCANTE/TIGRE BROCANTE/tel092-761-7666)
ブーツ¥68,000+tax(Rolling dub trio/THE BOOTS SHOP/tel03-3843-0833)
その他スタイリスト私物

▼TAKAHIRO×市原隼人×岡田義徳 チェキプレゼント▼

TAKAHIRO×市原隼人×岡田義徳のサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。

【応募方法】
リアルサウンド映画部の公式Twitterをフォロー&該当ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンド映画部の公式TwitterアカウントよりDMをお送りさせていただきます。

※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※複数のお申し込みが発覚した場合、ご応募は無効とさせていただく場合がございます。

<リアルサウンド映画部 公式Twitter>
https://twitter.com/realsound_m

<応募締切>
10月4日(金)

関連記事