『3人の信⻑』インタビュー

TAKAHIRO×市原隼人×岡田義徳が語る、『3人の信⻑』で体現した三者三様の演技論

  TAKAHIRO、市原隼人、岡田義徳の3人が「織田信長」として共演する映画『3人の信⻑』が公開中だ。

 本作は、「我こそが信⻑」と主張する3人の信⻑と、主を討たれ復讐心に燃える元今川軍の侍たちとの攻防を描いた時代劇エンターテインメント。TAKAHIRO演じる信長・甲は、最も頭がキレるかぶき者、市原演じる信長・乙は貫禄はあるが、ときどき天然、そして、岡田演じる信⻑・丙はうつけ者だがまったく心の内が読めない人物と、それぞれ異なる信長像を演じ、元今川軍の蒲原氏徳(髙嶋政宏)らを翻弄する。監督は、『ラストマネー -愛の値段-』(NHK総合)や『タンブリング』(TBS系)、映画『HiGH&LOW』シリーズなどの脚本を手がけてきた渡辺啓監督がメガホンを取る。

 TAKAHIRO、市原、岡田の3人に、島根での撮影やそれぞれの信長の演じ方などについて話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

TAKAHIRO「大ファンのお二方の胸を借りた」

ーー3人で信長を演じるということで、オファーをもらった時はどう感じましたか?

市原隼人(以下、市原):まず、3人で同じ役を演じるというのはなかなかない機会だと思いましたし、衣装も髪型も一緒なので、現場に入ったらそれがどういう形になっていくのか楽しみでした。「誰が本物の信長なのか?」というサスペンスもあり、笑えるようなテンポの良さもあり、ひとつひとつのセリフの伏線や目線が最後のほうに効いてくる。台本もすごく面白く、自分の演技次第でいろいろな信長になれる役だと思ったので、自分ができることを模索しながらやっていこうと思いました。そして、お二人と共演させていただくのがすごく楽しみで、現場に入って早くセリフの掛け合いをやりたいという思いでいっぱいでした。

TAKAHIRO:僕は初めての時代劇挑戦で、話をいただいた時はすごく緊張したんですが、言葉遣いやセリフ回しは現代劇に近いところもあり、コメディ要素も多いので、楽しそうだなと。このお二方は百戦錬磨で、いつもTV越しに見ている人たちでしたので、それもまた緊張の要素の一つだったんです(笑)。大ファンのお二方の胸を借りて、自分はいろんなことを学ばせてもらいながらご一緒できればなと思っていました。

岡田義徳(以下、岡田):企画としても面白いですし、話をいただいた時は嬉しかったです。TAKAHIROさんとは初めてだし、隼人くんもすごく昔に一緒の映画に出たことはあるんですが、がっつり一緒にやるのは初めてでした。

ーー渡辺啓監督とはどんな話を?

TAKAHIRO:渡辺さんも今回初監督作品で、僕は同じLDH JAPAN所属なんですが、初めて一緒にお仕事させていただきました。僕としては、お二方ほどの演技の経験もなく、どういった信長を演じていけばいいか、1人でプランニングできるわけではなかったので、監督にはいろいろ相談させていただいて。「かぶき者」というのが僕の演じる信長の性格なので、僕の中のそういう部分を精一杯出そうと思いました。監督の頭の中では作風がしっかり描かれていたと思うので、撮影中も相談しながら臨みやっていましたね。

ーー時代劇でありながら、言葉使いや音楽の使い方、映像の撮り方は現代的な印象でした。あらためて、どんな作品になりましたか?

市原:どう感じるかは観ていただいた方それぞれだと思うのですが、いろんな方に楽しんでもらえる作品になったのではないかなと思います。血だらけで殺陣をしているシーンも、僕らがお客様より楽しんでいるんじゃないかと思うくらい笑いながら撮った掛け合いのシーンもあって。拷問のシーンでは僕ら以外のキャストの方もいきいきとしていらっしゃいました……。本当にキャラの運動会でした(笑)。

ーー高嶋政宏さんの拷問のシーンは狂気を感じたりもしましたが……(笑)。

TAKAHIRO:あれはもうドキュメントです(笑)。

ーー現場では高嶋さんとはどんな話を?

岡田:ほぼ、“変態論”でした。

一同:(笑)。

TAKAHIRO:ただやっぱり、お芝居はもちろん、現場での立ち居振る舞いや佇まいは大御所の方ならではの迫力がありました。映画自体にも貫禄が増すというか。大先輩なんですが、気さくな面もあってとても魅力的な方でした。ご一緒できて光栄でした。

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