「仕事も恋愛も負けるつもりはない」 『ラジエーションハウス』鈴木伸之が窪田正孝にライバル宣言

 父親からのプレッシャーを抱え、自身の目指す医療と大学病院での方向性の違いも痛感し、ずっしりと重荷を抱えた辻村を演じたのは鈴木伸之。最近の出演作では『今日から俺は!!』(日本テレビ系)で演じた最強最悪のツッパリ高校生・片桐役が注目を集めた。劇団EXILEのメンバーであり、俳優として活動している。

 今回は、爽やかな好青年で完璧な男、さらに家柄も申し分ない辻村というキャラクターが、プライドを打ち砕かれ再度立ち上がるまでが描かれた。主人公のライバルで、さらに完璧な人間となると、好感を持ってもらうのが難しくなりがちだが、辻村は違う。最後には唯織に握手を求め、笑顔で「仕事も恋愛も負けるつもりはない」と伝える素直さがあり、男の友情を感じさせるシーンであった。

 唯織の敵ではなく、よきライバルになれたのは、ストーリーの運び方だけではなく鈴木の好演もあるだろう。苦しい時にめいっぱい苦しみ、自分の心と向き合いながら再度立ち上がる辻村を、寡黙ながらも熱い魂で演じきった。ふとした仕草、うつむき方、振り返り方をとっても、辻村には辻村の抱える背景が投影されているように感じる。そう見えるほどに鈴木は、辻村というキャラクターを徹底して深掘りしたのだろう。

 次週はついに杏の父親が登場する。甘春総合病院の真相がさらに明るみに出るのか。そして杏に医師とバレた唯織だが、2人の関係はどう変化していくのか。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』
フジテレビ系にて毎週(月)21:00~21:54放送
出演:窪田正孝、本田翼、広瀬アリス、浜野謙太、丸山智己、矢野聖人、山口紗弥加、遠藤憲一、鈴木伸之、浅野和之、和久井映見 ほか
原作:『ラジエーションハウス』(原作:横幕智裕、漫画:モリタイシ、GJ/集英社)
脚本:大北はるか
プロデュース:中野利幸
演出:鈴木雅之
制作著作:フジテレビジョン
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse/

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