北アイルランドのレコード店創始者の実話がもとに 『グッド・ヴァイブレーションズ』公開
映画『グッド・ヴァイブレーションズ』が8月3日より新宿シネマカリテにて上映されることが決定した。
THE UNDERTONES、RUDI、THE OUTCASTS、PROTEXなどのロックバンドを世に送り出した北アイルランドのレコード店でありレコードレーベル<GOOD VIBRATIONS>の創設者、“ベルファスト・パンクのゴッドファーザー”と呼ばれるテリー・フーリーの実話に基づいた作品。制作されたのは2012年で、イギリスでは2013年に公開された。日本では劇場公開がされていなかったが、2018年に自主上映企画『アイルランド映画が描く「真摯な痛み」』で上映されたことをきっかけに、このたび一般公開されることとなった。
1970年代の北アイルランドは紛争の真っ只中にあり、多くの犠牲者を生み出していた。1975年に北アイルランドをツアー中のアイルランドのバンド、マイアミ・ショーバンドがアルスター義勇軍によって虐殺された「マイアミ・ショーバンド虐殺事件」によって、北アイルランドにやって来るミュージシャンは激減。北アイルランドの音楽産業は壊滅状態となっていた。そんな中、町を出ずに客のいないナイトクラブでDJを続けていたテリー・フーリーは、運命の女性ルースと出会って恋に落ち、やがて結婚を決意する。そして生計を立てるためにベルファストにレコード店<GOOD VIBRATIONS>を開店させるのだった。
紛争と政治思想に翻弄されながらも、知恵と努力で何とか商売を軌道に乗せたテリー。ある日、若者たちがバンドを結成し、夜な夜なライブハウスで演奏を繰り広げていることを知る。興味本位を顔を出してみると、テリーが目撃したのは、理不尽な警察官に若者がパンクロックで団結し、抵抗している姿だった。そこで出会ったバンド、RUDIの演奏に惚れ込み、レコードレーベルを立ち上げ、彼らのレコードをリリースすることを決意する。その後<GOOD VIBRATIONS>の名前は北アイルランドのパンクバンドに一気に広まり、彼の元には様々なバンドが集うようになっていく。だが、情勢の不安が続く中、商売も上手くいかなくなり、テリーも悩み多き日々を過ごすこととなる。そんな時に訪ねてきたTHE UNDERTONESという新人バンドの録音で、最高の楽曲が誕生する。興奮したテリーはプロモーションのためにロンドンを訪れるが大手のレコード会社には門前払いに近いに。そんな時、唯一音源を受け取ってくれたのが、BBCラジオの有名なDJ、ジョン・ピールだった。
■公開情報
『グッド・ヴァイブレーションズ』
2019年8月3日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次公開
監督:リサ・バロス・ディーサ、グレン・レイバーン
脚本:コリン・カーベリー、グレン・パターソン
出演:リチャード・ドーマー、ジョディ・ウィッテカー、マイケル・コーガン、カール・ジョンソン、リーアム・カニンガム、エイドリアン・ダンバー、ディラン・モランほか
配給:SPACE SHOWER FILMS
2012年/原題:Good Vibrations/イギリス=アイルランド/カラー/シネマスコープ/103分/DCP/映倫審査前/英国公開:2013年3月29日/日本語字幕:岡俊彦
(c)Canderblinks (Vibes) Limited / Treasure Entertainment Limited 2012
公式サイト:good-vibrations-film.w-lab.jp