『大奥 最終章』インタビュー
木村文乃が明かす、“女同士の争い”に隠された『大奥』の魅力 「“家族”を最後のテーマに」
「“家族”を最後のテーマに」
ーーシリーズ名物のドロドロについて、今回は天英院役の鈴木保奈美さんと月光院役の小池栄子さんとの共演がとても楽しみです。
木村:私は小池さんが『大奥~華の乱~』で演じられたお伝の方がとても好きなんです。自分が攻めているようで、みんなに手の平で転がされていいように使われて、一番切ない女性だなと思って見ていました。今回は私のほうが小池さん演じる月光院さんにいじめられる立場ということで、少しだけお伝の方さまが救われたような気がして嬉しいです。とてもサバサバした方で、共演させていただけることももちろん嬉しいです。保奈美さんは、憧れの方でした。久免が天英院さんとある話をするシーンが肝だったりするので、保奈美さんの包容力に助けていただいた部分がすごくあります。
ーー木村さん自身は女性同士のバトルに共感できますか?
木村:ないです(即答)。まず逃げますね。そういう場面に会いそうになったら。久免も自分からバチバチに入っていくというよりは、巻き込まれちゃったなという始まりだったりするので、そこは自分とも似ているかもしれません。
ーー巻き込まれちゃったというお話ですが、月光院から塩大福を出される場面では、負けず嫌いな一面も見られるかと。
木村:そうですね。そこは久免の負けない部分、強さも出ていますね。脚本から受ける印象だとなんでも受けがちな女性なんですけど、それだけだと大奥らしさがなくなってしまう。なので塩だんごの場面は小池さんにもご相談させていただきました。「受けがちですけど、それって大奥としてどうですか」なんてお話をしたら、「うーん、やっぱりみんな見たいよね。ドロドロ!」と、あのサバサバとした感じでおっしゃっていただいたので、やられっぱなしというよりは、久免なりにちょっと強気なところも見せていくようなお芝居をさせていただきました。
ーー木村さんは女子のバトルに興味がないとのことですが、久免が家族のために向き合わざるをえなくなったように、家族やすごく大切なもののために戦わざるを得なくなったとしたらどうしますか?
木村: 相手が有無を言えないようにすべての証拠を整えて、淡々と攻め入ります(笑)。
ーーそ、それはスゴイですね。
木村:歴代の『大奥』シリーズの人物でいうなら、『大奥~華の乱~』のときに高岡早紀さんが演じた右衛門佐のような。全部根回しして、すべてを把握していて、しれっと見ているという。絶対的に守らなければならないものがあって、戦わざるを得ないならば、そういう感じになりたいです。ただ、取り乱したりせずに、実際にそう出来るかどうかは別ですけど。今回も小池さんと保奈美さんのバトルがあって、その真ん中に私が入っているという状況なわけですけど、「バチバチしてる!」と思いながら間に挟まっています(苦笑)。
ーー最後に最終章放送に向けて、ひと言お願いします。
木村:『大奥』という人気シリーズの最終章に、“家族”というテーマを持ってきた意味が、この作品には込められていると思います。エンターテインメントではありますが、みんながパッと見て分かるものだからこそ、「本当はみんなこうなりたかったんでしょ。こういうことを思っていたんでしょ」ということを伝えたくて、“家族”を最後のテーマに持ってきたのだと思いますし、そこに意義があると思います。
(取材・文・写真=望月ふみ)
■放送情報
フジテレビ開局60周年特別企画『大奥 最終章』
フジテレビ系にて3月25日(月)20時~22時54分放送
出演:木村文乃、大沢たかお、小池栄子、浜辺美波、南野陽子、岸井ゆきの、鷲尾真知子、山口香緖里、久保田磨希、浅野ゆう子、北村一輝、谷原章介、葛山信吾、松坂慶子 鈴木保奈美 他
脚本:浅野妙子
音楽:石田勝範
企画:保原賢一郎、塚田英明(東映)
プロデュース:高田雄貴、大森敬仁(東映)、大西文二(東映)
演出:林徹
制作:フジテレビ、東映
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/oh-oku2019/