「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメは『アストラル・アブノーマル鈴木さん』

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替わりでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、リアルサウンド映画部の宇宙人・大和田が『アストラル・アブノーマル鈴木さん』をプッシュします。

『アストラル・アブノーマル鈴木さん』

 2019年あけましておめでとうございます。シネマイレージのマイルの半分が自然と消え去っていきました……今年こそは6000マイル貯めたいです。まだまだ昨年公開された気になる作品が観れていない人が多いだろうとは思いますが、今年も毎週どんどん新作が公開されていきます。そんな新年の1作目に紹介したいのが、『アストラル・アブノーマル鈴木さん』です。

 本作は、残酷な運命のイタズラで田舎に取り残され、YouTuberとして生きる鈴木ララが、家族や来訪者などを巻き込み大暴走を繰り広げるさまを描く。昨年6月よりYouTubeにてWEBドラマとして配信されていた全17話を、87分の完全ディレクターズ・カット版としてスクリーンでお披露目する。

 主役のララを演じるのは、昨年、TBS日曜劇場『この世界の片隅に』のすず役で主演を務めた松本穂香。『ひよっこ』(NHK)で演じた田舎娘の澄子役に引き続き、どこかマイペースで癒しの存在を担うキャラクターを演じながらも、感情が突き抜ける時の表情と瞳から感じる熱意は若手女優の中でも一目置く存在だ。本作で演じるのは、マイペース(?)とも言える破天荒な女の子・ララ。そして松本は、本作でララの双子の妹・リリも1人2役で演じる。

 噂には聞いていましたが、小学3年生のはとこ(女の子)に将来の夢を聞いたところ、きらっきらの笑顔で「YouTuber! ヒカキンみたいな!」と言われた時には、ハッと時代を感じさせられました。本作の主人公・ララはYouTuberとして、Wi-Fiスポットもない群馬の田舎町で動画の配信を続けている。今やYouTuberには、テレビに出ている芸能人よりも地名度が高い者たちが大勢。「YouTuberが主人公のドラマがYouTubeで配信する」というドラマの形式をとっても、現代を切り口とした新しい作風を感じさせました。

 本作の見どころは、リアルな“田舎感”と、ララとリリが対峙する狂気的な一面などを巧みに表現する松本の演技。また、ララが暮らす田舎には、本当に面白いものが一切ないのが伝わってくるのと同時に、ララの破天荒さが際立って映り、主人公としての魅力が存分にスクリーンに表れます。そして、ララの住むこの街には、“面白い”を生み出す人々がたくさん溢れているのが、作品を見て笑ってしまった理由だと気づくでしょう。スマホの画面で見ていた皆さんは、ぜひ劇場の大きいスクリーンでその世界観を堪能してください。

 ■『アストラル・アブノーマル鈴木さん』舞台挨拶スケジュール&登壇ゲスト
・2019年1月5日(土)
劇場:【東京】新宿シネマカリテ
登壇:松本穂香、西山繭子、田中偉登、広山詞葉、谷のばら、木村知貴、加藤啓、大野大輔監督
・2019年1月6日(日)
劇場:【広島】横川シネマ
登壇:広山詞葉(広山詞葉の企画プロデュース・出演、山田佳奈監督の短編『今夜新宿で、彼女は』併映あり)
・2019年1月12日(土)
劇場:【大阪】第七藝術劇場【兵庫】元町映画館【京都】イオンシネマ京都桂川
登壇:松本穂香、大野大輔監督
・2019年1月20日(日)
場所:【静岡】シネシティザート【愛知】シネマスコーレ【長野】松本CINEMAセレクト
登壇:松本穂香、大野大輔監督

■公開情報
『アストラル・アブノーマル鈴木さん』
2019年1月5日(土)より、新宿シネマカリテ、イオンシネマ板橋ほか全国順次公開
出演:松本穂香、西山繭子、田中偉登、広山詞葉、谷のばら、大沼遼平、木村知貴、芦原健介、中沢健、三坂知絵子、AKI、松井理子、鳥谷宏之、大野大輔、根矢涼香(友情出演)、加藤啓
監督・脚本・編集:大野大輔
制作・配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS
(c)2018 AlphaBoat
公式サイト: http://asab-szk.com/

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