岡部哲也監督作『歯まん』2019年春に再上映決定 山下敦弘監督らのコメント&新場面写真も公開

 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭をはじめ、モントリオール世界映画祭、シッチェス映画祭など数々の映画祭に招待され受賞もしてきた岡部哲也監督作『歯まん』が、2019年春にアップリンク渋谷にて上映されることが決定した。

 本作は、“生と性と愛”がテーマのダークファンタジー。自らの肉体の変化によって愛する人を殺してしまった少女の人生のひとひらから、愛とはなにか? 生きるとはなにか? という普遍的な問いかけを観客に突き付ける。本作は、先日開催された新宿シネマカリテのインディペンデント映画の祭典「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018」でも上映され、2回上映のどちらも当日前に満席となっていた。

 女子高生・遥香は、初めてのセックスの最中に恋人を殺してしまう。突然吹き出す血飛沫に呆然とするが、原因が自らの肉体の変化で恋人の局部が食いちぎられてしまうというものだった。恐怖に駆られた遥香はその場から逃げ出してしまう。家族、友人、誰にも言えない不安と孤独が日々遥香を蝕んで行く。そんな日々の中、遥香は1人の男性と出会い、言葉を交わす機会が増えていく中で徐々に惹かれていく。遥香は肉体にかかった呪いを乗り越えることができるのか。

 公開された場面写真では、血まみれの顔で呆然としている遥香(馬場野々香)、驚愕の表情を浮かべている遥香の恋人(中村無何有)、手が血で染まった女性(水井真希)、山奥で不穏な空気が漂う八百屋(宇野祥平)の姿などが捉えられている。

 また、『オーバー・フェンス』の山下敦弘監督、『起終点駅 ターミナル』の篠原哲雄監督、『覚悟はいいかそこの女子。』の井口昇監督、女優の木嶋のりこなど、著名人からのコメントも公開された。

コメント一覧

山下敦弘(映画監督)

とにかく『歯まん』というタイトルで女が男性器を噛み切るストーリーにした岡部監督のあまりにもストレートで純度の高い志しに拍手をしたい。その志しに120%応えた主演の馬場野々香さんには花束を贈りたい。にしても宇野祥平っていう役者は変態を演らせると手に負えないということがわかりました。

篠原哲雄(映画監督)

歯まん、って一体何だ? と思いながら、冒頭からエロスとタナトスが交錯する。ホラーかコメディかラブストーリーか? と観ていたら、愛とセックスどっちを選ぶなんて究極のチョイスを主人公に迫っているではないか! 面白いぞ、岡部。快楽に溺れる男の危うさをつくなんて。

豊島圭介(映画監督)

『ソフトボーイ』で助監督してくれた岡部が映画を撮った! しかもタイトルが『歯まん』! 一見グロな題材で究極の愛をテーマにした作品だ。岡部、こんな映画を撮りたかったとは! びっくりした。

井口昇(映画監督)

えっ! そんなタイトル付けちゃっていいの? 女性が見たら泣けるロマンテイックな恋愛映画 でもあるのに! でも×××がちゃんと×××××する映画だから仕方ないか!

冨手麻妙(女優)

衝撃的な冒頭シーン。きっとこれは復讐または嫉妬のどろついた話に違いないなんて思って いたら、どこまでも純粋なストーリーで度肝を抜かれました。欲求のままに生きていられる 私達にとって、主人公とその愛する人がどこまでも辛く感じてしまう。もっと私達は、愛する事と性行為に対して有り難みを感じないといけないと思ってしまった。

木嶋のりこ(女優)

こんなにも切ない血しぶきを浴びる覚悟を持てる人が、今の世の中にどれほどいるだろうか。優しくて狂ってて純粋で愛おしい。「愛する人と身体を重ねるということは、特別で尊い」ということを改めて感じさせられる作品。

■公開情報
『歯まん』
2019年春 アップリンク渋谷にて上映
出演:馬場野々香、小島祐輔、水井真希、中村無何有、宇野祥平、泉水美和子、坂井天翠、古川真司、瓜生真之助、大石結介ほか
監督・脚本:岡部哲也
撮影:長谷川友美
照明:加瀬拓郎
録音:川井崇満
メイク:加藤由紀
衣装:岩田洋一
音楽:HIR、三枝伸太郎
配給:アルゴ・ピクチャーズ
配給協力:武蔵野エンタテインメント
2015/日本語/カラー/95 分/DCP/R18+
(c)2015「歯まん」
公式サイト:http://www.haman.link

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