中野裕太の出演も明らかに 柄本佑主演の日本・ポルトガル合作映画『ポルトの恋人たち』ポスター

 18世紀のポルトガルと21世紀の日本を舞台に、3人の俳優がそれぞれ1人2役に挑んだラブミステリー『Lovers on Borders』が、『ポルトの恋人たち〜時の記憶』の邦題で11月10日より全国公開されることが決定し、ポスタービジュアルと場面写真が公開された。

 日本、ポルトガル、アメリカの3か国合作による本作は、オダギリジョー主演の日米合作『BIG RIVER』やドキュメンタリー『フタバから遠く離れて』2部作を手がけた舩橋淳監督が構想に3年かけて制作した集大成的な最新作。ポルトガルの世界遺産ギマランイスをはじめ、撮影は、ポルト、ブラガ、ペニシェ、静岡県浜松市で行われた。日本とポルトガルの合作映画は、パウロ・ローシャ監督の『恋の浮島』、ジョアン・マリオ・グリーリョ監督の『アジアの瞳』に続き本作が3作目であり、初の日本人監督作品となる。

 主演は、『素敵なダイナマイトスキャンダル』ほか主演作が相次ぐ柄本佑。18世紀のポルトガルパートでは、ほとんどセリフもない日本人奴隷、21世紀の静岡・浜松パートでは、ブラジル系移民の労働者のクビを平然と切るエリート会社員の2役を演じ分け、浜松パートでは、英語セリフにも初挑戦している。第62回ベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞とアルフレッド・バウアー賞を受賞したポルトガル映画『熱波』のアナ・モレイラと時代も国境も超え恋に身を焦がす役どころだ。映画好きとしても知られる柄本は、ポルトガルの巨匠、故マノエル・ド・オリヴェイラ監督を敬愛しており、『ポルトガル、ここに誕生す〜ギマランイス歴史地区』に登場するアフォンソ・エンリケの地を回ったほどの大ファン。くしくもそのプロデューサー、ロドリゴ・アレイアスとの縁につながった。

 また、英語、イタリア語、フランス語などを話す俳優の中野裕太の出演も明らかになった。約1か月半でポルトガル語を習得。日本人奴隷の仲間と、夢を抱いて浜松にやってきたブラジル移民役で新境地を見せた。

 公開されたポスタービジュアルでは、18世紀ポルトガルパートで柄本演じる宗次とモレイラ演じるマリアナが遥か海の向こうにある自由の地を見つめる。「時代を超えた愛と復讐の記憶たち」とのエモーショナルなコピーが添えられている。タイトルに添えられた椿の花も、劇中印象的に登場するモチーフだ。

柄本佑 コメント

1部と2部で同じことが繰り返され、過去に植えた椿の種が巨木となって、恋人たち2人を助けてくれる。1人2役をやっているというよりは、時代も場所も違うので、2本の映画を同時に撮っているという感じでした。

中野裕太 コメント

プロットを読んだ時から、佑君の役ではなく、自分の役をやりたい、と思っていました。ポルトガル編の四郎役は狂言回し的で、佑君との友情の中で2人の恋愛の応援側に回る。現代編では、幸四郎が主役かと思いきや、また狂言回しに戻って、幽霊になる。表現に幅があり、ある程度委ねられている部分があって、やりがいのある役だなと思いました。

舩橋淳監督 コメント

18世紀ポルトガルと21世紀の日本。信じるべきものを失った時代に生きる人々の話を、両国で描いてみると面白いのではと思いました。国も言語も社会制度も違う2つの時代を体験することにより、信じることとは何かをこの映画から考えて欲しいと思います。

■公開情報
『ポルトの恋人たち〜時の記憶』
11月10日よりシネマート新宿・心斎橋ほか全国公開
出演:柄本佑、アナ・モレイラ、アントニオ・ドゥランエス、中野裕太
プロデューサー:ロドリゴ・アレイアス、エリック・ニヤリ、市山尚三
監督・脚本・編集:舩橋淳
脚本:村越繁
撮影:古屋幸一
編集:大重裕二
音楽:ヤニック・ドゥズィンスキ
配給:パラダイス・カフェ フィルムズ
配給協力:朝日新聞社 協力:ポルトガル大使館
製作:Bando a Parte, Cineric, Inc., Office Kitano
 2018/日本=ポルトガル=アメリカ/139分/シネスコ/5.1ch/PG-12
(c)2017『ポルトの恋人たち』製作委員会
公式サイト:porto-koibitotachi.com

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