『隣の家族は青く見える』インタビュー
高橋メアリージュンが語る、女性としての生き方「自分の意見を人に押し付けるのはよくない」
自由設計で造られた集合住宅という新しい住まいの形“コーポラティブハウス”に暮らす家族の姿を、オリジナル脚本で描いたドラマ『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)が話題を集めている。
登場するのは、子どもが欲しい夫婦、子どもは欲しくない女性とバツイチ男性のカップル、理想の家族像に執着する主婦と会社を辞めた夫と子どもたちの家族、男性同士のカップルと、それぞれに事情を抱えた4組の家族。深田恭子演じる妊活を続ける主人公の奈々と松山ケンイチ演じる夫の大器のエピソードもさることながら、高橋メアリージュン扮する「子どもを作らない」ことを決めて婚約したちひろの生き方が多くの女性の共感を呼んでいる。前クールのドラマ『コウノドリ』(TBS)に続き、反響の大きな役柄に挑んでいる高橋にインタビュー。役への共通点や今後の見どころなどを聞いた。(望月ふみ)【インタビューの最後には、チェキプレゼント企画あり】
「私自身は、いつかは子どもが欲しいと思っている」
ーー現代家族のさまざまなテーマに切り込んでいる作品ですね。高橋さんは、『コウノドリ』に続いて反響の高い作品への出演です。
高橋メアリージュン(以下、高橋):そうですね。確かに反響はあります。私が演じているちひろには、自分が言いたいことを全て言ってくれたというメッセージをよくいただきます。
ーー2話での深雪(真飛聖)さんとのバトルはすごかったです。高橋さんも共感する部分が強かったですか?
高橋:子どもを産む産まないはその人の自由だと思いますし、自分の意見を人に押し付けるのはよくないと思っていたので、あの場面は私も共感しました。
ーーオファーを受けたときに思われたことを教えてください。
高橋:私自身は、いつかは子どもが欲しいと思っているんです。ちひろは子どもは欲しくないという役柄なので、そうした考えの友達に話を聞いたり、本を読んだりしました。友だちに、「自分に子どもがいるというのは想像がつかない」と言っている人がいて、私自身はいつかはお母さんになるのが当たり前と思ってきたところがあったので、そういう考えもあるんだなと驚きました。
ーー今回のドラマによって新たに知ったこともありますか?
高橋:ちひろの役とはまた違う部分ですが、不妊治療についてちゃんとは知らなかったので、奈々ちゃんたちのカップルを見ていて、すごく学ぶことができました。不妊の原因は男女半々だとか。確かに言われれば当然のことなんですけど、勉強になっています。
ーー奈々さんといえば、ちひろさんを見ていると、あそこで暮らすのは大変そうだなと感じていたのですが、奈々さんと朔(北村匠海)くんとの3人組が仲良しになってくれたので、こちらもほんわかしています。
高橋:朔ちゃんとは仲良くなるシーンが描かれたわけではなかったのですが、いつの間にか仲良くなっていました(笑)。3人のシーンはガールズトークみたいですよね。本当にのほほんとしていて。カメラの外でものほほ~んと、本当に女同士の会話のようなんですよ。
ーー一方で、あの共有スペースではギスギスした関係も。
高橋:深雪さんですね(苦笑)。
ーー撮影の合間は、みなさんとどんな感じなんですか?
高橋:裏ではとても仲良しです。真飛さんは、めちゃめちゃいい人です(笑)。とても明るくて、真飛さんか松山さんが結構お話をされて、場を明るくしてくださっています。
「ああいう風に合わない人がいたらキツイ」
ーー高橋さんご自身は、ああしたコーポラティブハウスに住むというのは。
高橋:個人的には住めないです。人見知りですし、ああいう風に合わない人がいたらキツイですよね。それだけでストレスになっちゃう。賃貸ならまだしも、買う勇気はないです。たとえば家族とか、兄弟夫婦と一緒にとかなら、いいですけど。ドラマで疑似体験して楽しむことにします(笑)。
ーーそれぞれに住んでいる家にも個性があります。ちひろさんの家の空間はどんな感じですか。
高橋:すごく洗練されていてオシャレです。ちひろはネイリストなので、ネイル用のチップが飾ってあったりします。仕切りとかもない空間で、シャワー室も透けているんです(笑)。あの家族たちの中でも特に洗練されている家だと思いますが、この後、亮司(平山浩行)の子どもの亮太くんが来ることによって、たぶん崩れていくと思うので、その変化も楽しみです。
ーーちひろのキャラクターに関しては、どのように捉えて、どのように表現できたらと思っていますか?
高橋:今後、物語の中で描かれるかどうかは分かりませんが、ちひろには本人が気付いているかは別として、深層心理として、子どもがいらないという理由にも繋がるつらい過去があると思っています。だからこそ、明るくいたいという。
ーー亮太くんを引き取ることにした亮司にも、揺れている本心を見せませんね。強がってしまう気持ちはよく分かりますか?
高橋:分かりますね。よく分かります。
ーーそうした部分でも、奈々さんや朔くんと仲良くなれて、気持ちを打ち明けることができてよかったなと思いながら見ています。
高橋:確かにそうですね。話せる人がいないと、それこそ『コウノドリ』のときのようになっちゃいますよね。