家族間バトル勃発へ 『隣の家族は青く見える』から学ぶ、“価値観を押し付けることの罪深さ”

愛は義務化すると冷めてしまう

 「子作り意識し始めてから、全然楽しくなくなっちゃったんだよなー……」と大器は、会社の後輩である矢野朋也(須賀健太)に漏らす。排卵日に合わせて性交渉するタイミング法や、ラジオ体操、マカドリンクを飲むことなど奈々の頑張りに対し、大器の気持ちが追いつかない。

 周囲の妊娠や奈々の年齢を配慮すれば、焦る彼女の気持ちも痛いほどに理解できるが、夫婦間の愛の延長線上にある性行為を義務化すると、気が乗らなくなってしまう大器の思いも当然だ。不妊治療は、夫婦ともに協力的な姿勢であることが重要になってくるが、結果が伴わないと精神的ダメージが大きいため、セックスレスの原因にもなってくるらしい。

 人並みに出来ないことがあっても、それを欠陥だと思って自分を攻める必要はない。逆に、自分が当たり前のようにできることは、他者にとって必ずしも当たり前ではないことも頭に入れておかなければならない。

 個々の中にある“ものさし”に違いがあるという点は、意外と気付かないもので、わかっていても忘れてしまいがち。無意識のうちに“価値観の押し付け"をしてしまっていないか、自分の心にも問いかけたくなる第2話だった。

(文=阿部桜子)

■放送情報
木曜劇場『隣の家族は青く見える』
フジテレビ系にて毎週木曜22:00から放送
出演:深田恭子、松山ケンイチ、平山浩行、高橋メアリージュン、北村匠海、眞島秀和、真飛聖、野間口徹、伊藤かずえ、高畑淳子、橋本マナミほか
脚本:中谷まゆみ
プロデュース:中野利幸
演出:品田俊介、高野舞
制作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/tonari_no_kazoku/

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