川栄李奈が語る、『アシガール』阿湖姫役の楽しさ 「唯之助とは対照的なお姫様感を意識しています」

「お芝居を好きになったキッカケは、AKB48のドラマ」

――時代ドラマだからこそ、苦労したことはありますか?

川栄:やはり言葉遣いですね。現代では使われていない昔ながらの口調や、イントネーションの違いがすごく難しいです。特にセリフが多い時には、「ワタクシ」と「ワタシ」の使い分けが上手くできず、ごちゃごちゃになってしまいます。目上の方に対して自分のことを話す時は「ワタクシ」って言うんですけど、それ以外で自分自身のことを話す時は「ワタシ」って言う、その区別がイマイチわからなくて……。あとは、所作がすごく大変ですね。

――どういう所作が最も苦労しましたか?

川栄:着物を着ていることがほとんどなので、歩き方から指導していただくのですが、内股で歩くことに慣れるまでが大変でした。肩や上半身を動かさないようにして、足を柔らかく、なるべく音を立てないように歩くことも意識しています。ほかにも長い着物の裾を引いて歩くことに苦労していますね。

――阿湖姫を演じる上で意識していることはありますか?

川栄:本当に良い子で純粋なお姫様なので、そういう内面を観てくださる方にしっかりと伝えられたらなと思います。裏表がなく、誰からも愛されるお姫様でいることを常に意識していますね。しかも阿湖姫はただ単に可愛いお姫様というだけでなく、清々しくてかっこいい部分も兼ね備えているんです。しっかりとした芯があって、人の気持ちを想いやれる優しさが、阿湖姫の魅力かなと私は思いますね。今後、そこも注目していただけると嬉しいです。

――役作りで原作から活かしていることはありますか?

川栄:いつも役作りをあまりしないので、今回も役を作り込むことはしていません。原作を読ませていただき、阿湖姫がどういうお姫様なのかを想像しました。佇まいや喋り口調、トーンから阿湖姫らしさが出たらいいなと思っています。唯之助がすごく男の子っぽいので、唯之助とは対照的なお姫様感を意識していますね。

――なぜ役作りをしないのでしょうか?

川栄:あまり作り込んでしまうと、“お芝居をしています!”感が出てしまう気がして、嫌なんです。自然に物語に溶け込みたいと言いますか。もちろんお芝居する役柄がどんな人物なのか想像はしますが、深く研究することはないですね。

――お芝居はAKB48時代から学んでいたのですか?

川栄:特に学んではいないです。でも、元々ドラマや映画がすごく好きで、色々なジャンルを観てきたので、無意識のうちにそこからお芝居に活かしている部分はあるかもしれません。小さい頃からテレビっ子だったんですよ。

――ではなぜ、アイドルから役者業に転身しようと?

川栄:ずっとお芝居が好きだったので、AKB48を卒業して、女優業に専念することを決めました。お芝居を好きになったキッカケは、AKB48のドラマです。『マジすか学園』(テレビ東京系)や『セーラーゾンビ』(テレビ東京系)など、いくつか出演させていただき、それがすごく楽しかったんですよね。AKB48のドラマ以外にも、お芝居をする機会をいただき、そこで同世代の役者さん方と共演したことが、すごく刺激になりました。もっとお芝居をやりたいと思うようになり、やるなら早い方がいいなと思ったんです。

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