蒼井優、掴みどころのない役が似合う理由 『ハロー張りネズミ』霊媒師役で見せた“たくさましさ”
『ハロネズ』の5話の最後では、ゴローはこれまでなんらかの好意を寄せている(と思われた)深田恭子演じる四俵蘭子とともに節子のもとにお礼がてら出かけることになるが、そのとき、蘭子と行くのはちょっとばつが悪く、一人で行こうとしていたのが見てとれた。そこで、ゴローが蘭子に寄せるのとはまた違った種類の好意を節子に抱いているのがわかった。
大根仁の作品では、『モテキ』にしろ、『SCOOP!』にしろ、複数の女性に、主人公の男性が違った感情を抱いている描写があることはあった。多情といえば多情なのだが、それぞれに抱いている気持ちの種類が違うことがちゃんと描かれている。男性のこういう微妙な情緒や気持ちが描かれているところも、個人的には楽しみなところであるし、ゴローと節子がどうなるのかも気になるドラマなのである(この先、まったく何もないのかもしれないが……)。
■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。
■放送情報
金曜ドラマ『ハロー張りネズミ』
TBS系にて毎週金曜よる10:00~10:54放送
原作:弘兼憲史「ハロー張りネズミ」(講談社「ヤングマガジンKC」所載)
脚本・演出:大根仁
プロデュース:韓哲、市山竜次
出演:瑛太、深田恭子、森田剛、中岡創一(ロッチ)、片山萌美、蒼井優、リリー・フランキー、山口智子
製作:オフィスクレッシェンド、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/hello-harinezumi/