綾野剛と二階堂ふみ、禁断の恋の行方は? 『フランケンシュタインの恋』最終回レビュー

 「人間を殺すかもしれない怪物は、人間に恋をしてはいけないのでしょうか?」

 深志研(綾野剛)が、大好きなラジオ番組のお悩み相談に投稿したこのメッセージがきっかけとなり、“フランケンシュタイン”と津軽継実(二階堂ふみ)の恋の歯車は回り始めた。ラジオを通した研の津軽への告白。研は、津軽の先祖であるサキ(二階堂ふみ・二役)と恋をしていた記憶を彼女に語る。本当の名前は、山部呼六(綾野剛・二役)であること。伝染病研究所で深志研太郎(斎藤工)の助手をしていた彼は、サキと出会い恋をした。同じく、深志もサキに恋をし、彼女を思い伝染病で死んだ山部を“怪物”として蘇らせた。しかし、怪物となった山部はサキをその手で殺してしまうのだった。120年をかけた恋。山部は深志研として、サキの子孫である津軽を自らの手で目覚めさせた。

 「あなたが好きです。120年前から」。深志研であり、山部呼六。津軽継実であり、サキ。全ての過去と立場を受け入れ、2人はともに歩んでいくことを決める。大学の学食を仲良く食べる2人。記念写真を収める2人。何気なく手を繋ぎ歩く2人。彼はもう彼女に“触れる”ことができる。120年前に自らの手で、彼女を殺めてしまった過去を乗り越えたことを物語るシーンだ。

 しかし、世間の目を気にした研は、再び山で暮らすことを選ぶ。山に木霊する津軽の声を、じっと聞き入る研の姿が何とも切ない。1年後、アカナリカミタケを探しに山に入った津軽。そこに研への思いもあったのだろう。津軽はキノコを見つける代わりに足を踏み外してしまう。そこに助けに現れたのが研だった。120年前、サキが事故を起こしたシチュエーションと奇しくも同じだ。「私はずっと、あなたのことが好きです。会いたかった」。瞳にいっぱいの涙をため、彼女は研にそう伝える。二階堂の感情溢れる演技が、そのセリフに深みを持たせる。

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