熊切和嘉監督『武曲 MUKOKU』をジョン・ウー監督が絶賛「人を勇気付ける素晴らしい映画」

 6月3日に最新監督作『武曲 MUKOKU』が公開される熊切和嘉監督に、『レッド・クリフ』シリーズのジョン・ウー監督が絶賛コメントを送った。

 『武曲 MUKOKU』は、藤沢周による同名小説を、『私の男』の熊切監督が実写映画化した人間ドラマ。剣道の達人だった父の元で育った矢田部研吾と羽田融が出会い、ふたりが人間として、剣士として精進していく姿を描く。主演を綾野剛が務めるほか、村上虹郎、前田敦子、風吹ジュン、小林薫、柄本明らがキャストに名を連ねた。

 熊切監督は、ジョン・ウー監督の出世作『男たちの晩歌』との出会いが自分の人生を決定づけたという。そんな熊切監督の熱望により、ウー監督から本作へコメントが送られた。ウー監督は、「いろんな面で人を勇気づける素晴らしい映画」と語り、剣道という日本古来の武術を題材としながら、現代を生きる若い世代に希望を与えていると称賛。

 あわせて、綾野演じる剣道五段の腕前でありながら自堕落な日々を送る主人公の研吾を捉えた2枚の新場面写真も公開。剣道初心者ながら恐るべき才能を持つ高校生の融(村上虹郎)と初めて剣を交え、不覚から一本を取られてしまったことに怒りを抑えられず体育館で大立ち回りを繰り広げる場面と、融との決闘シーンを捉えたものが捉えられている。

 

ジョン・ウー監督からの『武曲 MUKOKU』へのコメント

これはいろんな面で人を勇気付ける素晴らしい映画だと思います。
剣道は人道なり、善と悪は紙一重です。監督は剣道精神を非常に冷静で且つ精確な叙事手法で親子の絆に溶け込ませています。そして繊細に描かれた画面一つ一つは見る人みんなが心を打たれ勇気づけられるものです。更に古き良き深い思い(古之幽情)を借りて現代を生きる若い世代に希望を伝えています。
また、剣闘シーンは“精”、“気”、“神”が最高境地の調和を取れています。
監督や脚本家そして俳優たちが真心と情熱を込めた演出に“伝統”と“現代”の精髄が結合された映画的でとても素晴らしい作品だと思います。

熊切和嘉監督 コメント

14歳の時にジョン・ウー監督の『男たちの挽歌』に出会ったことが、その後の自分の人生を決定づけたと言っても過言ではありません。
そんな私の作品の中でも『武曲 MUKOKU』は、特に男同士の関係を強く描いた作品です。ライバル、父子、師弟……、男が男に惚れる瞬間……。それらにおける精神性を、言葉ではなく、彼らの闘う姿の中に昇華させたかった。そこにはジョン・ウー監督からの多大なる影響もあると思います。
この作品を敬愛してやまないジョン・ウー監督に観ていただけたことは、私の映画人生にとって最大の事件です!

■公開情報
『武曲 MUKOKU』
6月3日(土)、全国ロードショー
原作:藤沢周「武曲」(文春文庫刊)
出演:綾野剛、村上虹郎、前田敦子、風吹ジュン、小林薫、柄本明
監督:熊切和嘉
脚本:高田亮
音楽:池永正二
配給:キノフィルムズ
(c)2017「武曲 MUKOKU」製作委員会
公式サイト:mukoku.com

関連記事