亀梨和也×山下智久、強力なライバルにどう立ち向かう? 『ボク、運命の人です。』第2話レビュー

 先週の第1話の視聴率は12.0%と、12年前の『野ブタをプロデュース。』の初回16.1%(全10回の平均は16.9%だった)に劣りはしたものの、録画や見逃し配信が主流の現在では、悪くない出足だろう。今クールは民放プライムタイムの連続ドラマがすでに8作品も初回10%超えの視聴率を叩き出している久々の好調期だけに、『ボク、運命の人です。』はどこまで数字を維持し続けるかが楽しみなところだ。

 22日に放送された第2話では、強力なライバルの登場に焦る誠(亀梨和也)が、“運命の相手”晴子(木村文乃)から向けられている悪印象を覆そうとする姿が描かれる。もっぱら自称“神様”の山下智久に唆されるままに、不器用ながらも突っ走っていく亀梨の実直さが、このドラマを正統派のラブコメディに仕立て上げているのではないだろうか。

 今のところ、大きなサプライズが起きる予感を与えずに、恋に至るステップを順番通りに描いていく。第1話では“お互いの存在を認識する”という点に始まっていたが、今回は“好印象を与える”ということに注力され、次回はどうやら“連絡先を交換する”に辿り着くという、まるでハウツー本のように危なげないストーリー構成である。

 今回の第2話の主軸となるのはライバルの登場よりも、ヒロインの考え方と固さとそれの緩和にほかならない。木村演じる晴子は、対照的に恋愛体質な同僚の三恵(菜々緒)からの前向きな説得に対して「遠回りが近道だった人のパーセンテージ考えたことある?」と問う分析型の一面を見せたと思いきや、「長年の嗅覚」で相手を選ぶという妙な不器用さも見せる。

 中盤には、亀梨に対しても「これは単なる確率の話です」と真っ向から運命を否定する彼女は、持論を流暢に唱える一方で、その表情はぎこちなさが目立つ。亀梨の言葉に少し揺らぎながらも、意固地になっているわけだ。それを踏まえた上で、虹のエピソードと雨宿りの場面を登場させることによって、ヒロインの考え方を徐々に緩和させていく。繰り返しある偶然はただの確率ではなく、「運命」だということに真実味を与えていく巧い流れといえるだろう。(この場面で傘をさりげなくさすところと、タクシーの窓からコンビニの看板を見て思わず笑ってしまう木村文乃の表情が最高なのだ)

 さて、今回から登場した“強力なライバル”定岡を演じているのは、満島ひかりの弟として注目を集めている満島真之介だ。2012年の映画『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』で注目を集め、朝ドラ『梅ちゃん先生』などで着実に力を携えてきた彼。一度見たら忘れられない端正な顔立ちと、そのルックスとは対照的なユーモラスなキャラクターのギャップが人気を集める所以だろう。

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