吉岡里帆、相楽樹、佐野ひなこ……次期ドラマで注目の“グラビア出身女優”たち
ドラマ『火の粉』(東海テレビ・フジテレビ系)での好演が話題を呼び、結婚を発表したことでも注目を集める優香をはじめ、現在放送中のドラマ『世界一難しい恋』(日本テレビ系)に出演する小池栄子や『朝が来る』(東海テレビ・フジテレビ系)のMEGUMI、最後の昼ドラとして2月に放送された『嵐の涙~私たちに明日はある~』(東海テレビ・フジテレビ系)の主演を務めた佐藤江梨子など、グラビアからそのキャリアをスタートさせた女優は少なくない。
最近はAKB48などのアイドルがグラビア活動を積極的に行っていることや、グラビアを掲載する週刊誌が減っていることなどで、いわゆる“グラドル”と呼べる人材は少なくなっている印象だが、それでもなお、確実に新世代のグラビア出身女優たちは台頭してきている。
演技派で鳴らすグラビア出身女優
現在放送中の『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)に出演し、次のドラマクールでは『死幣-DEATH CASH-』(TBS系)への出演が控えている吉岡里帆。その素朴さと愛らしさを兼ね備えたビジュアルには、誰もが好感を持つ親しみやすさがある。広瀬すずや荒木優子に続き、結婚情報誌『ゼクシィ』の9代目CMガールに抜擢されたのも納得がいくところだろう。また、高校時代から俳優養成所に通いながら演技を学び、NHK連続テレビ小説『あさが来た』のヒロインオーディションでも最終選考まで残るなど、その演技力も折り紙つきだ。2014年に『週刊プレイボーイ』でグラビアデビューを飾った吉岡だが、女優として売れ始めたことで、徐々にグラビアの仕事からはフェードアウトしていく懸念もあった。しかし、2016年5月9日発売の同誌で表紙グラビアを飾り、そこで惜しげもなく水着姿を披露して良い意味でファンの予想を裏切ってくれた。
NHKの朝ドラ繋がりだと、現在放送中の『とと姉ちゃん』に出演している相楽樹もグラビア出身だ。16歳の時にリリースされたイメージDVD『同級生』は、現在5作目まで作られている人気シリーズで、ファンの間ではみずみずしい水着姿と学生服姿に定評がある。『とと姉ちゃん』では、活発な長女・常子と常子と衝突しがちな三女・美子の間に挟まれる次女・鞠子を演じている。共演の高畑充希から「包容力があり、こちらが発信することを、さらっと自然に受けてくれる」と評されていた通り、主張の少ない鞠子のキャラクターをあえて自分を抑えるような演技で表現し、周りのキャストを上手に引き立てている。かつて相楽に演技指導を行った劇団“五反田団”主宰の前田司郎は「お年寄りにも好かれる人間力があり、演技面では自分の芝居を疑いつづける謙虚さと我慢強さがある」(引用:『とと姉ちゃん』次女「相楽樹」の原点は巣鴨ジジババ商店街)と評しており、パーソナルな部分でも鞠子役というキャラクターにマッチしているように感じる。
どちらも朝ドラでは、肌を露出するイメージとは対極にある女性像を演じているだけに、彼女たちが惜しげもなく水着姿を披露していることへ驚きを覚えた人も少なくないだろう。しかし、そのギャップがメディアやSNSで話題を呼び、彼女たちの知名度を上げるきっかけのひとつになったことは間違いない。
特性を武器にするグラビア出身女優
次回ドラマクールの月9『好きな人がいること』(フジテレビ系)に出演する佐野ひなこ、7月に放送がスタートするドラマ『侠飯~おとこめし~』(テレビ東京)でヒロインを務める内田理央は、出演作品でも持ち前の肉体美や色気を発揮している。“グラビア出身女優”は、その特性上、男性を誘惑する色気や体を張った演技が求められることもあり、それが女優としてのステップアップや話題作りに繋がることがある。例えば、内田理央は映画『血まみれスケバン・チェーンソー』でセーラー服にふんどしを着用した姿で登場し、佐野ひなこはドラマ版『デスノート』(日本テレビ系)の弥海砂役や『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(関西テレビ・フジテレビ系)のホステス役と立て続けにセクシーな役どころを演じて話題を呼んでいた。かつて佐藤江梨子や原幹恵が、『キューティーハニー』の実写版で一気に知名度を上げたように、グラビアの仕事で培われた魅力が女優としての武器になることは往々にしてあること。小池栄子が過去のインタビューで「私の肉体ってやっぱり特殊だと思うんです(笑)。だからこの肉体を面白がって、かっこよくセクシーに描いていただける監督と出会いたいですね。(中略)持って生まれたこの体を一つの材料として生かしてくださる監督とご一緒できれば嬉しいです」(引用:小池栄子インタビュー 女優への覚悟、憧れのソフィア・ローレンを目指して)と語っていたように、肉体美への理解がある監督との出会いも、彼女たちが飛躍するうえで大切なのかもしれない。