嵐・大野智主演『世界一難しい恋』第6話で描かれた“携帯コミュニケーション”のリアル

 しかし、これは筆者の心が汚れているからそう感じてしまうのだろう。実際のところ、最近では30代男性の4人に1人が童貞ともいわれているので、零治がそうであっても不思議ではないのかもしれない。前回、このドラマには“恋愛指南”の要素があると指摘したが(参考:嵐・大野智主演『世界一難しい恋』が、男性からも支持される理由 主題歌のメッセージを読む)、そうした観点から考えても、主人公は童貞の方が望ましいといえる。なにせ『世界一難しい恋』なのだから、それくらいのハードルはあって然るべきだ。それに、大野智は非現実的なキャラクターを演じることにかけては定評のある役者である。金持ちでイケメンの童貞というファンタジーも、うまく着地させてくれるだろう。我々は余計なことを気にせず、その“キス作戦”の失敗から学ぶべきなのだ。

 とかく、これまでコミカルな色の濃かった同作だが、だんだんと生々しい展開になってきて、筆者としては嬉しい限りである。どうしていつも恋がうまくいかないのか、同作から少しでも汲み取ることができれば良いと思う。普通に恋愛するだけでも“難しい”時代だからこそ、希望の持てる展開を期待したい。

(文=松田広宣)

■番組情報
『世界一難しい恋』
4月より毎週水曜日22時~日本テレビ系にて放送
出演:大野智、波瑠、小池栄子、北村一輝
脚本:金子茂樹
制作著作:日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/sekamuzu/

関連記事