松本潤主演『99.9』、演出家の違いでドラマはどう変化した? 「0.1%の真実」の描き方

 どうやら、「0.1%の真実」というのは、必ずしもどこかに真犯人が隠れているというわけではなかったようだ。これまでのエピソードでは、いずれも特殊なトリックによって濡れ衣を着せられた依頼人を助けるためにそのトリックを暴き出すものとなっていたが、これでは第1話の記事で言及したように探偵ドラマの様相を呈し、あまり弁護士ドラマという感触は掴めない。しかし今回のように、犯罪そのものをでっち上げられた依頼人を守るために「0.1%の真実」(=何故でっち上げられたのか)を探し出し、その手段としても法的なアプローチを取るというやり方は、非常に興味深い。

 劇中では「美人局」として表現しているが、このように親告罪(被害者からの告訴がなければ訴訟とならない犯罪)である性犯罪の加害者に、事実無根であっても成り得てしまうということを恐ろしく思う男性は少なくないだろう。周防正行監督の『それでもボクはやってない』で描かれた痴漢冤罪のように、事実を証明しづらいケースも少なからずあるが、中には今回のように故意にでっち上げられるケースも少なからず実在しているのだから、尚更恐ろしいのである。性犯罪が、金銭目的で作り上げられるということは、実際の被害者が提起しづらい環境を作ってしまいかねないだけに、このようにドラマで描かれることが抑止に繋がればとの狙いもあったのかもしれない。

 ラストで岸部一徳演じる斑目と、深山との接点を予感させる描写が登場したが、これまでも第1話での奥田瑛二演じる検事正との確執を予感させたり、第3話では深山が過去を回想する場面が登場した。とくに第1話以降で奥田瑛二は登場してこないし、前半に並べた伏線を、後半で一気に回収していくということになるのだろうか。そろそろ何かしらの方法でひとつひとつのピースを繋げるエピソードが登場してもいいのではないだろうか。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■ドラマ情報
『99.9−刑事専門弁護士−』
出演:松本潤、香川照之、榮倉奈々ほか
脚本:宇田学
トリック監修:蒔田光治
プロデュース:瀬戸口克陽、佐野亜裕美
演出:木村ひさし、金子文紀、岡本伸吾
製作著作:TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/999tbs/

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