新アニメ『おぼっちゃまくん』、コンプラ的に大丈夫? 『奇面組』もぶち当たった“昭和ギャグ復刻”の壁

『おぼっちゃまくん』コンプラ的に大丈夫?

 『おぼっちゃまくん』の完全新作アニメ『おぼっちゃまくん REBORN』が、2027年に放送されることが発表された。1989年から1992年まで放送されたテレビアニメ以来、約35年ぶりの新作となる。発表を受けてSNSでは「まさか復活するとは思わなかった」「懐かしすぎる」といった歓迎の声が上がる一方、「令和に放送出来んのか」「今の時代、茶魔語は大丈夫なんですかね」「今のコンプラ基準でやれんの?」といった声も聞かれた。

『おぼっちゃまくん REBORN』公式 X(@anime_oborebo)より

 1986年に連載が始まった本作は、小学5年生の主人公・御坊茶魔の圧倒的なスケールを持つ“金持ちギャグ”によるドタバタコメディ。「おはヨーグルト」「そんなバナナ」「こんにチワワ」といった“茶魔語”が当時の子どもたちの間で大流行したものだった。今回は、原作者の小林よしのりが全面監修を務め、これまでアニメ化されていない原作の名エピソードに加え、オリジナルストーリーも予定されている。

 気になるのは、“ダジャレ”がいまの視聴者にどう映るのかという点だ。昭和から平成初期に人気を集めたギャグ作品を、現在のアニメとして復活させる場合、昔と同じことをすればいいとは限らない。言葉遣いや笑いのテンポ、キャラクターの振る舞いなど、当時は自然に受け入れられていたものが、今見ると古く感じられることもある。だからといって、現在の感覚に合わせて表現を変えれば、今度は作品そのものの持ち味が薄くなってしまう。ここが、昭和ギャグを復刻する際の難しいところだろう。

 その壁にぶつかったのが今年約39年ぶりに新作アニメ化された『ハイスクール!奇面組』である。新沢基栄による往年のギャグ漫画を令和のテレビで観た視聴者からは、「再現度とか当時の感じをリバイバルしたんだろうけど途中で飽きてしまった」「ギャグセンが古くてついていけなかった」「ノリについていけず」といった声もあり、昔の作品を昔らしく作ることと、「いま見ても面白い作品にする」ことが、必ずしも同じではないことがうかがえる。

 『おぼっちゃまくん』において、茶魔は語呂や意外性を生かした独特の言い回しを数多く生み出してきたが、今回、問われるのは過去の名フレーズをどこまで再現するかだけではない。いまの時代にも、思わず誰かに伝えたくなる一言を作れるかどうかだ。その先例として興味深いのが、「フレンドリッチ」である。2024年にインドで制作された新シリーズでは、茶魔の代名詞でもあった「ともだちんこ」を封印し、それに代わる挨拶として考案された。これは、友だちの額に一円玉を貼りつける行為で、小林は「たった一円でも友達になれることが一番リッチなことだ」と説明。茶魔らしい金銭感覚を生かした新しい表現に置き換えることで、キャラクターの個性を残しながら、別の笑いへと転換している。

 この“言い換え”をめぐっては、今回の新作発表後にもSNSで反応が分かれているが、小林は今作も35年前と同様、賛否を巻き込みながら作品が受け入れられると手応えを感じているようだ。実際、現代は短いフレーズや一場面がSNSで切り取られ、作品を知らない人の目に触れる機会も増えている。世代を超えて茶魔語が“バズる”可能性も十分にあるだろう。

 昭和の人気作が令和のアニメとしてどのように甦るのか、放送開始を楽しみに待ちたい。

『おぼっちゃまくん REBORN』ティザーPV

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