『ちいかわ』×「青い鳥文庫」コラボ作の選定基準は? 感涙者続出だった青いリボン編を振り返る

 イラストレーター・ナガノの手掛ける漫画『ちいかわ』と講談社の児童文庫「青い鳥文庫」のコラボフェア「ちいかわ×青い鳥文庫 まなびのちいあお文庫」が3月10日より対象店舗にて開催される。

 今回のフェアでは『ちいかわ』のキャラクターが「青い鳥文庫」のカバー帯を飾る特別版書籍が発売。本稿では対象書籍の一部を紹介したい。

講談社 青い鳥文庫 X(@aoitori_bunko)より

 主人公・ちいかわが表紙を飾ったのは『ヘレン・ケラー物語』(文:東多江子)だ。本書は幼いころに目と耳に不自由をきたすこととなったヘレン・ケラーの伝記。7歳のころに出会った家庭教師・サリバン先生とともに数々の困難を乗り越え、社会活動家として尽力したヘレン・ケラーの物語が綴られる。

講談社 青い鳥文庫 X(@aoitori_bunko)より

 これまでちいかわは「草むしり検定」にて2度の不合格を味わいつつも、ハチワレやうさぎなど、周りの助けを得ながら勉強に努めてきた。その結果が実り、3度目の受験で5級の合格を果たしたちいかわ。その姿は困難を乗り越えてきたヘレン・ケラーと重なるものがあるかもしれない。

ちいかわ X(@ngnchiikawa)より

 ちいかわの友人・ハチワレが表紙を飾るのは『青い鳥 (新装版)』(作:モーリス・メーテルリンク/訳:江國香織)。クリスマス・イブの夜、貧しい木こりのこども・チルチルとミチルは妖精のおばあさんに「青い鳥を探しにいってくれ」と頼まれる。兄妹の2人はこっそりと家を抜け出し、青い鳥を探す旅に出かけーー。果たして青い鳥は見つかるのか。

 前述したように、ちいかわは草むしり検定の試験で2度にわたって不合格となっている。そのうちの1回はハチワレとともに受験しており、ハチワレのみ合格を果たしてしまった。自分だけ合格してしまったことに悩むハチワレに、ちいかわは青いリボンがついたクッキーを合格祝いとしてプレゼントした。

ちいかわ X(@ngnchiikawa)より

 ハチワレは青いリボンを大切にしていたものの、あるときふと目を離した隙に真っ白な鳥が青いリボンを咥えてどこかへ飛び立ってしまう。ハチワレはリボンを失くしてしまったことをちいかわへ涙ながらに打ち明けたが、ちいかわは「思い出はずっと(心の中に)ある」と慰めた。ちいかわの贈ったメッセージは『青い鳥』のテーマにも通ずるものであろう。ちなみに青いリボンのエピソードには後日談があるが、ここでは記すことを控えたいと思う。

ちいかわ X(@ngnchiikawa)より

 ちいかわ、ハチワレに加え、アイスの棒を持つうさぎが表紙を飾る『ガリガリ君ができるまで』(作:岩貞るみこ)、笑顔のシーサーが表紙を飾る『こちら、沖縄美ら海水族館動物健康管理室。 世界一の治療をチームで目指す』(作:岩貞るみこ)がラインナップされるなか、モモンガが表紙を飾ったのは『くもの糸・杜子春 (新装版) 芥川龍之介短編集』(著:芥川龍之介)だ。

 「杜子春」のほか「魔術」「仙人」が収録された芥川龍之介の短編集。収録作のひとつである「くもの糸」は、地獄で苦しむ泥棒・カンダタの物語。カンダタが生前にくもを助けたことを思い出し、お釈迦様は極楽からくもの糸を垂らす。カンダタはくもの糸にすがり極楽へ登っていくが……。

 傍若無人な態度でちいかわたちを困らせているモモンガは、ゴブリンたちの独房に入れられたことがある。牢屋での生活にモモンガは苦しむ……というよりかは楽しそうな様子ではあったが、モモンガとカンダタの姿は重なるものがあるかもしれない。モモンガのわがままに付き合い、最後にはモモンガを脱獄させた看守のオデもお釈迦様のように見えてくる。

ちいかわ X(@ngnchiikawa)より

 

『ちいかわ』アニメ公式 X(@anime_chiikawa)より

 ちいかわたちによって可愛らしい装いとなった名作の数々は、読書のモチベーションを高めてくれるものであろう。ほかにも、50冊の読書を記録できる「ちいかわ読書ノート」も販売。本書のカバーにはちいかわたちが集合しており「青い鳥文庫にはお酒の本がなかったので、表紙には不参加(ふさんか)だった」(公式サイト原文ママ)くりまんじゅうも顔を見せてくれている。

講談社 青い鳥文庫 X(@aoitori_bunko)より

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