『呪術廻戦』最終回はまさかのバッドエンドに……サブタイトル「夢の終わり」に反応する読者たち

一体誰が見ていた「夢」だったのか

  では「夢の終わり」というサブタイトルは、一体何を意味しているのだろうか。物語の流れをまとめると、エピローグでは羂索によって生み出された“悪夢”のような世界が幕を閉じ、平和な現実がもどってきている。だとすると、「死滅回游の終了」という意味で受け取るのが妥当だろう。

  また、虎杖は物語の始まりにおいて宿儺と出会い、悪夢のような日々に巻き込まれていった。そのことから考えると、夢の終わりとは主人公である虎杖の目線で「宿儺との戦い」が終わったことを意味しているのかもしれない。

  さらにもっと深読みするのであれば、五条悟の“夢”が叶ったことを示唆している……というのはどうだろうか。五条は圧倒的な力をもちながらも、1人で呪術界を変えるのではなく、あえて教育者という意味を選び、「強く聡い仲間」を育成するために尽力してきた。多大な犠牲を生むことにはなったが、戦いを通して呪術高専の面々はそれぞれ飛躍的な成長を果たしている。なにせ五条が勝てなかった宿儺を倒したのは、ほかでもない五条の教え子たちだ。

  だとすれば、「夢の終わり」というサブタイトルが1つの夢の実現を意味しているとしても、おかしくないのかもしれない。

  ちなみに『呪術廻戦』のTVアニメ版では、各OPにおいて、登場人物が“眠る”シーンが頻出していた。第1期第1クール目のOPでは虎杖、第2期「懐玉・玉折」のOPでは五条の眠りが描かれている。あくまでアニメ版の要素ではあるが、こうした描写から「虎杖と五条の夢が終わった」という風に読み解くのも面白そうだ。

  予想を裏切る展開によって、読者の心を幾度も揺さぶってきた芥見。最後にふたたびその恐ろしい作風を見せ付けるのか、それとも順当なハッピーエンドで終わるのか……。最終回を覚悟して待とう。

 

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