「昔ながらの味もいいけど、最新もうまいよねって。お互い認め合えればいい」

――では、虚無レシピをきっかけに「味の素®」をもっとうまく活用していきたい方に、「こんな使い方あるよ」というテクニックをここで教えてもらえますか？

鈴木：「味の素®」ってうま味を足すというだけでなく、素材の味を引き出す効果もあるんです。例えばお子さんやご高齢の家族のために薄味ベースで作った料理が、自分にはちょっと味が物足りないなというときには、取り分けたものに「味の素®」をひと振りするだけで風味が変わるのを実感してもらえると思います。

鈴村：味が引き出されるというところでは、ご飯を炊くときに「味の素®」を数振り入れる方法もおすすめです。お米のうま味とか甘みが引き立つのでぜひ試してほしいですね。加えて、炊きあがったごはんに振りかけるのもおいしいですよ。うちの社員食堂には「味の素®」の瓶が置いてあるんですけど、グループのメンバーはみんなそこに行ってご飯にひと振りしてから食べているくらいです。

リュウジ：もう虚無レシピじゃん、それ（笑）。俺もね、最近見つけたんだけど。このスタジオのすぐ近くにある居酒屋で、締めにガーリックむすびって出してたの。試しに頼んでみたらめちゃくちゃうまくて。で、具も何もないのよ。海苔とご飯だけ。で、食べながら「この味付けは絶対『アジシオ®』とガーリックパウダーだな」と思って、家に帰ってすぐやったの。そしたら全く同じ味になってさ！　我ながら「俺の舌、すげぇな」って思ったね。マジでうまいから、みんなやったほうがいいよ。普通のニンニクじゃ強すぎてダメ。市販の粉のガーリックパウダーね。あと、できればこれは「味の素®」と塩じゃなくて、「アジシオ®」を使ってほしい。「アジシオ®」は塩の周りに「味の素®」がコーティングされているから、味がばらけないんだよ。これ、いずれ虚無レシピ動画にしようと思ってるけど、ここで先に言っちゃう。

――（笑）。そう言われてみると、「味の素®」はないけど、「アジシオ®」は家にあるという人も多いような気がします。

リュウジ：そうなんだよ。あれにも「味の素®」と同じグルタミン酸 が入っているのにさ。なんとなく避けている人に限って、今手元にある調味料にどんなものが入ってるのかちゃんとわかってない人って多いのよ。わからないから必要以上にネガティブなイメージを生むところもあるから、使うにしても使わないにしても、ちゃんと知ってほしいよね。

――そして、リュウジさんのレシピはお店の味を家で再現できるのも魅力ですよね。

リュウジ：俺がもともと飲食店側の人間だからね。そこも、家庭料理を主軸にしている料理研究家さんとは違うところだと思う。結構な頻度でいろんな飲食店を回って「あ、これうまいな」っていうのをメモって再現してるから。だから絶対にネタが尽きないんだよ。ひょっとしたら本家よりうまいんじゃね、って思うこともあるくらい。って、こんなこと言うと、炎上しがちだけど（笑）。

　でも、それを再現するためには「味の素®」は欠かせない。だって、うま味調味料って今やほとんどのお店で使われているものだから。一度、みんなにも味の素（株）の業務用商品サイトを覗いてみてほしい。いろんな飲食店が「うちは「味の素®」を使っています」みたいなインタビューとかあって面白いんだよ。でも、それは決して調味料を使って手を抜いてるってわけじゃなくて、やっぱり料理は日々進化しているってことなの。

　よく「うま味調味料を使ってる料理を食べると舌がバカになる」みたいなことも聞くけど、むしろうま味を使いこなせるって舌が発達してないとできないことだからね。もちろん「味の素®」だって量を入れすぎたら酷い味になる。それは他の調味料も同じだから。

　食材だって日々進化してるじゃない。今スーパーで売ってるトマト、大体赤くて甘いでしょ。一昔前みたいな青臭いトマトってほとんど見なくなったよね。魚だって養殖の技術が上がって、天然と遜色ないみたいなことも。昔ながらの味を良いと思うのもいいけど、だったら最新もうまいよねって。お互い認め合えればいいと思うんだよ。

　もちろん異論は認める。俺はアンチの意見を聞くのが好きだから（笑）。よく「またリュウジが炎上した」とかって言われるけど、俺はそれをダメなことだとは思ってなくて。むしろお互いの主張をぶつけ合えて幸せな場なんじゃないかって。だって、みんな同じ意見じゃないほうが面白いじゃない。だから俺は『虚無レシピ』だって料理だと思っているけど、何か言いたいことある？って。この本は、そんな世の中への問いかけなんだよ。

■書籍情報
『虚無レシピ』
著者：リュウジ
価格：￥1,540（税込）
発売日：2023年9月7日
出版社：サンクチュアリ出版

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