昨今、漫画に登場した料理を実際に再現するYouTubeチャンネルが密かな人気となっている。中でも、漫画ならではのぶっ飛んだアイデアの料理は、実際にどんな味がするのかが気になるところだ。今回は、そんなYouTube上の料理漫画再現チャンネルで、特に再生回数が多かったものを紹介したい。

代用ガム・『美味しんぼ』

　『美味しんぼ』のトラブルメーカー、富井副部長が仲の悪い弟と会食した際、「子供の頃貧乏でガムが買えず、ただをこねているとお父さんが小麦粉で代用ガムを作った」と思い出話をする。

　ところが弟は「それは錯覚だ」と激昂し、普段からの不仲もあり、席を飛び出してしまう。同席していた山岡はふたりのやりとりを無視することもできたはずだが、持ち前のお人好しぶりを発揮し、代用ガムの再現に乗り出す。

　山岡は強力粉を手にすると、流しの蛇口から出る水に当て、こねるように揉む。これが富井副部長の父親が作った代用ガムだった。決して美味しいものではなかったが、弟はこの代用ガムで改心した。

　YouTubeチャンネル「ズボラの漫画飯再現料理」では、若干手法は異なるものの、この代用ガムの再現に挑戦している。味は「まずい」という評価だったが、昭和の時代に苦労した富井家の気分を感じることはできたようだ。ネットユーザーの興味も高かったようで、72万回再生された。

『ONE PIECE』サンジの料理

　『ONE PIECE』麦わらの一味のクルーで、料理人を担当しているサンジ。その腕前は折り紙付きで、海上レストラン「バラティエ」で副料理長を務めたこともある実力者だ。

　そんなサンジが海軍食堂で余った食材を使って作った料理だ。「マグロの骨と頭を叩き潰し、ワタは擦り砕く。野菜とともに練り上げて油で揚げる。肉の脂身はとろりと溶けるまで煮込み、貝殻でたっぷり出しをとった特製スープと絡める。ワタの苦味が食欲をそそり濃厚な味がつかれた体に生気を与える」などと説明しながら調理した逸品である。

　この料理を「ゴジGOJIチャンネル」が再現に挑戦。マグロの骨と頭は手に入らなかったとのことだが、ほぼサンジの料理と同じ出来上がりとなっており、いいね1.4万、再生数122万の大ヒット動画となった。