「攻撃するのは…月!!」 『遊戯王』決闘者の王国編で度肝を抜かれたシーン3選

 1996年に「週刊少年ジャンプ」で連載が開始された『遊☆戯☆王』(以下、遊戯王)。同作品内で登場した「遊戯王オフィシャルカードゲーム」は発売から20年以上たった現在も多くのデュエリストに愛されている。

 ただ、現実の“デュエル”は厳密なルールが設けられているものの、漫画内でのデュエルは私たちが普段行っているそれとは異なるシーンが少なくない。当時のデュエリストが漫画版の遊戯王で驚いたシーンを、今回は“決闘者の王国編(デュエリストキングダム編)”から取り上げたい。

※以下、ネタバレを含みます。

「攻撃するのは…月!!」

 まずは遊戯が梶木漁太と対戦した時の伝説的なシーンを語りたい。水属性デッキの梶木は自身のフィールドが「海」であることを利用し、モンスターの姿をくらましながら、遊戯に攻撃の的を絞らせずにデュエルを優位に進める。

 梶木の猛攻に後がない遊戯だったが、「岩石の巨兵」を攻撃表示に変更して攻撃宣言をする。ただし、攻撃するの梶木のモンスターではなく、遊戯自身が数ターン前に発動した「月」。「月」が破壊されたことによって海水が引き、これまで姿が見えなかった梶木のモンスターが全て露わに。そして、「カース・オブ・ドラゴン」と「燃えさかる大地」のコンボを決め、見事逆転勝利を収めた。

 ちなみに、 初戦の相手でもあるインセクター羽蛾戦でも、「カース・オブ・ドラゴン」の攻撃時に「燃えさかる大地」を発動させ、羽蛾のモンスターではなくフィールドの「森」を攻撃対象する、というシーンがある。モンスター以外も攻撃対象になるのは、漫画版の遊戯王の常識と言える。

早すぎた「超融合」

 次に遊戯VS海馬のデュエルに触れたい。デュエルは一進一退の攻防が繰り広げるが、とうとう海馬は最強モンスター「ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン」の召喚に成功する。圧倒的な攻撃力の前に手も足も出ないが、運命のドローで相棒「クリボー」を引き当てる遊戯。

 そして、「増殖」を発動させ、クリボーをフィール上に埋めつくし、「ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン」の攻撃が届かないように壁を作る。さらに畳みかける遊戯は、「魔法効果の矢」「融合」「マンモスの墓場」を使用したコンボを炸裂。「魔法効果の矢」により、魔法カードの効果を相手モンスターに与えることができるため、「マンモスの墓場」と「ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン」を「融合」させる。

 光属性の「ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン」と闇属性の特性を持つアンデット族の「マンモスの墓場」が融合することにより、属性反発が生じるため「ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン」はパワーダウンしてしまい形勢逆転。遊戯は遊戯王シリーズ至上最高ランクのモンスターを前に勝利をもぎ取った。

 後に放送されたアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』ではネタ、もとい話題になった「超融合」という、自分と相手のモンスターを融合できるカードが登場する。この展開は「超融合」の先駆けだったのかもしれない。

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