原作第322話で描かれた、爆豪とデクのやりとりが読者の中で大きな話題となった。周囲を巻き込まないために1人で暴走するデクを、A組の面々が力づくで止めようとする。それでも彼らを見ようとしないデクに、1番冷たく接していた爆豪が口を開いた。自分の気持ちを素直に話しデクを本当の意味で認めた彼は、「今までごめん」と頭を下げたのだ。

　作品の歴史を塗り替える大事件であるこの謝罪で、彼は一皮剥けたように思う。来るオール・フォー・ワンとの決戦でも、彼の存在が大きな意味を持つのは間違いないだろう。劇場版第2弾『ヒロアカ THE MOVIE ヒーローズ：ライジング』でも、爆豪とデクの力を分ける共闘は描かれた。最終章に突入した原作では、和解しヒーローと成った2人の本当の意味での「共闘」が見られるのかもしれない。

　爆豪が作品にもたらした影響は計り知れない。ときにはヒール、ときにはライバル、そしてときには仲間として、いつもデクの1番近くにいたのが彼だった。荒削りな暴君から成長していく姿を、楽しく見守っていた読者も多いだろう。デクがピンチのとき、内通者の正体が判明したとき、爆豪はどのような動きをみせるのか。物語の展開と共に、彼の動向にも注目してほしい。