榮倉奈々「宇宙単位で自分たちを俯瞰できる」 15年来の友人・YOSHIROTTENの個展でアートから得られる感覚を語る

 アーティストのYOSHIROTTENによる過去最大規模の個展『ヨシロットン展 彼方との交信/BEYOND EARTH』が、10月30日よりTOKYO NODE GALLERYにて開幕した。開催に先駆けて29日にはプレス発表会が同会場で開かれ、YOSHIROTTEN、榮倉奈々、田中巌(森ビル株式会社 新領域事業部 TOKYONODE運営室 部長)が登壇した。

榮倉奈々&YOSHIROTTEN&田中巌

 YOSHIROTTENはアートディレクターとして宇多田ヒカルや山下達郎、XGのアートワークなどを手がける、近年ファインアートの世界で大きな注目を集めるアーティスト。『ヨシロットン展』は彼にとって東京では8年ぶりの大規模個展となる。地上約200mの高層ギャラリーの約1500平方メートルの空間に、代表作「RGB」「FUTURE NATURE」「SUN」の過去最大スケールの新作群と、JAXA協力による「宇宙アート」を展示。東京の上空に広がる大空間で、光、色彩、音に身をゆだね、遠い宇宙や過去、未来、今ここでない遥か彼方に思いを巡らす新たな体験を得ることができる。

 YOSHIROTTENとは同じ鹿児島出身でかねてより親交の深い榮倉は、発表会の前にYOSHIROTTENと一緒に展示を巡り、会場5カ所に設置されたスタンプラリーまで楽しんだという。YOSHIROTTENを“ヨシロウ”と呼ぶ榮倉は、「このTOKYO NODEという空間と、ここから見下ろす東京の街、そしてヨシロウの作品。自分たちの身体に取り入れて完成するんだろうなと思いながら見ていたので、見る人によって感じることは全然違ってくるんだろうなと思います」と個人的な感想は胸に秘めたまま、日中/夕方/夜といったように訪れる時間帯によっても見え方が変わってくる展覧会になっていると勧めた。なお、榮倉が首に巻いているのはオフィシャルグッズとして販売されているスカーフだ。

 YOSHIROTTENにとって、日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げられた内之浦宇宙空間観測所は子どものころから実際に足を運んでいた馴染み深い場所だ。15年来の友人であり旧・内之浦町出身の榮倉とは意気投合。初めて開催した個展からYOSHIROTTENの作品を見続けてきた榮倉が、本展のサウンド体験「SPACE VOICE」のナビゲーターを担当している。YOSHIROTTENは榮倉を起用した理由に、「宇宙の話をよくしている宇宙人みたいな人なので、音声ガイドを頼むなら彼女しかいないなと思って、僕が直接お願いしました」と語る。

 展示の見どころとしてYOSHIROTTENは、JAXA協力による完全新作の「宇宙アート」と、日本の宇宙開発の実機を挙げる。「Puddle Cygnus X-1」はブラックホールの観測データをもとにした作品で、「おおすみ」を軌道へと導いた管制卓も本展の一部として展示されている。榮倉は「ヨシロウの作品を見ていると、宇宙って遠くに感じているけれども、私たちもかつて宇宙で生まれたんだなと、近くに感じることができる作品が多くて。私は地球に住んでいるレベルじゃなくて、宇宙単位で自分たちを俯瞰できる」と展示から感じたことを話すと、YOSHIROTTENも「同じようなことを思っていたので、それを作品にしていたりもしています」と賛同した。

 YOSHIROTTENのスタジオに取材をしに行ったこともあるという榮倉は、「宇宙のことを考えると『ロマンチックだな』というレベルでの関心とか興味はもちろんあったんだけど、それをどんどん自分のアートに取り込んで可視化していく」とアーティストとしての魅力を称賛。榮倉の言葉を受けて、YOSHIROTTENは「ナビゲーターみたいな立ち位置で、宇宙や地球のことを僕なりに伝えていきたいというのが、この活動のいちばんの根っこにあります」とアーティストとしてのスタンスを示した。

 この日の夕方にももう一度訪れる予定だと話す榮倉は、「一つひとつの作品に思いを馳せて、自分との対話の時間を自分のために作る空間でもあるのかなと思います。子どもと来ても楽しいだろうし、どういう風にこの空間を楽しもうかなって、私自身が今ワクワクしています。たくさんの人に見ていただきたいです」とコメント。YOSHIROTTENは、「ここは生き物のように、常に変化していく展覧会になっています。外を見たり、外からやってくる光を見つけたり、何時間も何日も行ったり来たりしてもらいたいです」とメッセージを送った。

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