齊藤なぎさ、夢のため自ら選んだ過酷な道 =LOVEを19歳で卒業 連ドラ初主演『女帝』に至る“挑戦”と“縁”に導かれた歩み
齊藤なぎさが、10月22日よりスタートするドラマ『女帝』(読売テレビ)にて連ドラ初主演を飾る。2023年1月に=LOVEを卒業して、およそ3年半。“俳優齊藤なぎさ”がまた新たな一歩を踏み出そうとしている。
齊藤が=LOVEからの卒業を発表した、2022年9月開催の国立代々木競技場 第一体育館でのデビュー5周年記念コンサート。悲鳴にも似た驚きの声、終演後フラフラになりながら会場を去るファンの姿が、筆者は今でも忘れられない。これは今でこそ記せることだが、「齊藤なぎさがいなくなって=LOVEはこれから大丈夫なのか?」という空気がファンのあいだにも色濃く流れるほどに、当時の=LOVEにとって齊藤は先頭に立つ、グループの顔だった。
アイドルとしての齊藤の魅力は、プロデューサーの指原莉乃が「人類で最もカワイイ子」と認めるビジュアルの高さのみならず、その裏にある彼女のひたむきな努力だ。グループ加入まで歌もダンスも経験のなかった齊藤にとって大きなターニングポイントなったのが、初のシングルセンターを務めた6thシングル表題曲「ズルいよ ズルいね」。大人の失恋ソングに求められる表現力の壁にぶつかり越えていったのが2019年、デビュー3年目のタイミングだった。同年、齊藤は映画『夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風』で、単身グループを飛び出し大々的に俳優としてデビューを飾ることとなる。努力と挑戦を繰り返し、誰もが認める“最強のアイドル”という称号を手に入れた齊藤が、20歳を目前にして夢に見たのが俳優としての道だった。
居心地のよい=LOVEに甘え続けてしまうことに対して何度も悩んだ結果、一歩外の世界に踏み出したいと決意した演技の夢(※1)。先述した『夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風』だけでなく、特にドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』(MBS/TBS系/2022年)で演じた地雷系女子の“ゆあてゃ”こと優愛役は、原作ファンも認めるハマり役として話題になっていた頃だった。
齊藤の卒業コンサートで忘れられないのは、煌めくスパンコールとピンクのリボンをあしらったマイクをステージに置き、花道の階段をのぼっていった先でツインテールをほどくという、“アイドル”としての最後の姿。かつての山口百恵の姿を彷彿とさせる演出に、彼女のトレードマークであるツインテールに別れを告げる、齊藤こだわりのパフォーマンスだ。指原が歌い出しの歌詞に〈今日も鏡をチェック/最高の笑顔 届ける/才能に甘えないの/努力が大事よ〉と綴られた初のソロ曲「現役アイドルちゅ〜」に、卒業記念ソングとして書き下ろされたさらなるソロ曲「君だけの花道」は、歌が苦手だったとは思えない堂々としたパフォーマンスだった。
=LOVE卒業後は、俳優業を中心にして声優、モデル、タレントとマルチに活躍。特に2024年の『【推しの子】』シリーズ(Prime Video)で演じた星野ルビー役は、自身のアイドル経験を俳優としての表現力と演技力に昇華した適役だった。「私のこと好き?」と共演者に確認する愛の重さ、人懐っこさは=LOVE時代から変わらず。プライベートでも仲良しとなった原菜乃華&あのとともに、劇中のアイドルグループ・B小町として歌とダンスを披露し、『ミュージックステーション SUPER LIVE』(テレビ朝日系)にも出演を果たしている。マクドナルドのCMに、あのと一緒に出演していたのも、『【推しの子】』での縁から生まれた共演と言えるだろう。
もうひとつ、齊藤にとって俳優としての大きなターニングポイントとなったのが、今年9月公開の映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』への出演だ。演じたのは、謎の女子高校生・須永あかね。長年愛され続けてきた『踊る』シリーズで、村下希衣子役の櫻坂46・藤吉夏鈴とともに重要な役を見事に演じ切っている。齊藤のハスキーボイス、言い換えれば声の圧、眼力が、迫真のシーンとなって活きている。
ほかにも、「ねえねえ、今日の私、どうかな? かわいい?」と鏡を前に問いかける様子に齊藤のありのままの姿を感じさせる、新ブランドアンバサダーを務める「ジョンソン®ボディケア」のCMや「New Balance471」のビジュアルモデル、畑芽育とのポッドキャスト番組『畑芽育&齊藤なぎさ「オフはこんな感じ」』など、さまざまな縁と青春を重ねながら、10月22日より、いよいよ主演ドラマ『女帝』がスタートする。
『女帝』は銀座のクラブをはじめとする夜の世界を舞台にした復讐エンターテインメントで齊藤が演じるのは、母を死に追いやった権力者たちへの復讐を胸に、“女帝”の座を目指し成り上がっていく主人公・立花彩香。これまでにも映画化/ドラマ化されてきたことを踏まえると、今作は言わば“令和版 女帝”だ。ホステスという役は、過去に出演したどの作品の役にも似ていないながら、これまでの延長線上にあるような印象を受ける。根底に共通するのは、意志の強さと真っ直ぐな眼差し。連ドラ初主演ということはもちろん、『【推しの子】』『踊る』に続く、俳優としてのさらなるターニングポイントになりそうだ。
齊藤には、ある約束のときが近づいている。それは、来年1月19日、20日に東京ドームで開催される『=LOVE in TOKYO DOME』。齊藤は卒業コンサートでのスピーチで、心残りとして「東京ドームに一緒に立つことができなかったこと」を挙げ、「東京ドームのステージに立って、最高の景色を見てほしい」「絶対に観に行くから。レス5回くらいひとりずつちょうだいね」といちばんのファンとして弾ける笑顔でメンバーに伝えていた。2023年1月当時、多くのファンが夢物語と思っていたであろう、あの日の未来、約束の場所を=LOVEは通過点にしようとしている。リーダーの山本杏奈が齊藤と一緒に、いつか東京ドームで歌いたいと口にしていたのが〈あのステージ〉=夢の東京ドームへの思いを歌った「笑顔のレシピ」だった。
その約束が実現するのか、当日を楽しみにしながら、齊藤のグループ卒業に伴い、指原がコメントしていた「『俳優齊藤なぎさ』と『国民的アイドル=LOVE』と『タレント指原莉乃』がどこかの番組で共感する『いつか』を楽しみに送り出したいと思います」という、もうひとつの夢が叶う、その“いつか”を楽しみに待ちたい。
※1:https://equal-love.jp/news/detail/5841