横山裕「あなたもロックスターやったわ!」 『ROCK FOR YOU』ファイナルで鳴らした愛情と信念のロック

今やることを正解にーー横山裕が貫くこれからの美学

 本編終盤でのMCでは、1年限定だったソロプロジェクトを継続した理由について、同じ東京ガーデンシアターで行った渋谷すばるとのツーマンライブがきっかけだったと語った。「『やっぱりまたライブしたいな』って思ったけど、1年限定って言ったから。そんな時に楽屋に行ったら、すばるが『ヨコは絶対歌った方がいい』って、言ってくれて。圧倒的なボーカルからそんな言葉もらえて」と、仲間や周囲のスタッフの言葉もあり続けるという選択をしたと明かした。「結局はあなたがいないと」とファンの存在が欠かせないものと語り、「最近世の中が難しく考えすぎてるなって思います。『嬉しい』『楽しい』『好き』でええねんて」と笑う。

 さらに「最近、友情・愛情・根性あれば生きていけるなって思う。いろいろ生きてたら変わる時がくる。でも途中経過で判断せず、結果を見てあげてほしい」と、グループ活動の歩みや仲間への想いを語り、「だから俺は今やることを一生懸命やって、正解にしていきたい。そうやってかっこよく生きたいなと思う」とまっすぐなメッセージを送ると、割れんばかりの拍手が巻き起こった。

 本編最後は、ここまでのメッセージを体現したような「美学」で締めくくられた。言葉の一つひとつを、会場にいるほかの誰でもない一人ひとりへ絶対に届ける――そんな魂のこもった熱唱だ。横山が放つ思いの熱さが徐々に客席にしみわたっていき、だんだんと大きくなる拍手。お互いに心をさらけ出すような熱いエネルギーの交換で、本編が終了した。

 すぐに巻き起こったアンコール。客席のあちこちから「ありがとう!」の声が上がり、横山もそれに応える。「あなたに感情をぶつけることができました」と感謝の言葉を告げ、「ありがとうありがとう言ってるから、『ありがとう』って曲やりますね」と笑いを誘う。ここで初めてサングラスを外し、「素顔も男前なんよな」と茶目っ気たっぷりにはにかみ、「ありがとう」へ。ファンのコーラスや手を高く掲げる姿に、愛おしそうな微笑みを見せた。

 そんなファンとの絆を、より一層強く見せつけたのが「存在意義」だ。声をひとつにした大合唱に、「今、あなためっちゃええ顔してるわ! この気持ち、絶対忘れたらあかんで!」とシャウトし、〈あなたへ〉という歌詞に合わせ会場中のファンを指さし、まっすぐな思いを音に乗せる。何度も胸を叩き、客席へ「ありがとう!」と伝えるように頷くと、バンドメンバーと手を取り合って東京ガーデンシアターいっぱいに「今日はほんまにありがとう!」と生声を響かせた。

 「ラストやし、本気のやつやらへん?」と客席に問いかけたWアンコールでは「プリン」「黄金期」「ロックスター」をコール&レスポンスを交えながら披露。5曲の候補からファンの拍手で決めるという企画だったが、どの曲にも大きな拍手が起こり「全部!」の声が上がるほど、ファンも横山も大切な時間を惜しんでいた。

 力の限り情熱をさらけ出し、この日最高の熱量が渦巻く。「間違いないわ、あなたもロックスターやったわ!」とファンへ愛情たっぷりに伝え、幾度となく繰り返される感謝の言葉とともにツアーファイナルの幕が下りた。

 ソロプロジェクトでありながら、横山にとっての大切な人たちの存在を色濃く感じたライブだったように思う。MC中に何度も名前が出たSUPER EIGHTのメンバー、元メンバー、後輩、バンドメンバー、スタッフ、何よりも熱いエネルギーを交換し合えるファン――彼自身が放つ魅力だけでなく、大事な人たちへの愛情によって、この音楽が成り立っている。

 去年よりファンとの信頼感がより強固なものになったことで、強い意志を感じさせつつも明るい笑顔が多かったように見えた。横山裕のロックは、誰かのために奏でられる、愛情深く強い音楽なのだ。そう強く感じられたツアーファイナルだった。

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