広末涼子という稀代のボーカリストの真価 10代の名曲から男性ボーカルカバーまで披露したバースデイスペシャルライブ

 男性ボーカルによる楽曲カバーが続く。まず星野源の「Family Song」。ファンも家族として受け入れるかのような包容力に満ちた歌声だ。ウルフルズの「笑えれば」では、ポジティブなメッセージが客席に届いていく。一人称が「オレ」の楽曲を広末が歌う——その新鮮さも、この夜の醍醐味のひとつだ。

 広末は「歌がうまいと思ってない」と語りつつも、今日来てくれたみんなに感謝をしながら歌いたいと述べた。その言葉通り、今回の公演のサブタイトルにもなった2000年の「Crescent River~三日月の舟に揺られて~」では、ひときわ溌剌とした歌声を聴かせた。グルーヴィーな演奏に乗せて艶やかな歌声を響かせたのは、今井美樹の「雨にキッスの花束を」。その途中で演奏が不意に止まり、広末がファンクラブ「NEW FIELD」のメンバー、家族、ママ友に感謝するシーンもあった。

 そして、最後の1997年の「MajiでKoiする5秒前」では、ファンの「涼子」コールも沸き起こった。

 アンコールに応えて、広末はTシャツ姿で再登場。そして、最後の最後に1999年の「明日へ」。その透き通った歌声は、約四半世紀の歳月を巻き戻すかのような輝きを帯びている。

 今回の公演は、2024年の公演よりも広末自身の楽曲が多く、彼女は「なんて名曲揃いなんだろう」と語っていた。2020年に「キミの笑顔」を配信リリースしているが、それまでの広末の歌手活動は、1997年から2000年までという短い期間だった。それにもかかわらず充実した楽曲群が並び、広末が歌うことで名曲たちは一気に息を吹き返す。広末涼子という稀代のボーカリストの真価を体感したのが『Best Day Ever~Crescent River』だった。

■公演情報
広末涼子
ACT/Ryoko Hirosue meets The Little Prince〜星の王子さま

10月16日(金)
open 6:00pm / start 7:00pm

10月17日(土)、10月18日(日)
【1st.show】open 3:00pm / start 4:00pm
【2nd.show】open 6:00pm / start 7:00pm

<MEMBER>
広末涼子(朗読/歌)
山下俊輔(g)
土屋恵(p,acc)
水野紗希(vln)

原作:サン=テグジュペリ著・河野万里子訳「星の王子さま」(新潮文庫刊)
企画協力 新潮社 上演台本:筧昌也 演出:ますもとたくや 撮影:平間至 後援:TOKYO FM

予約:https://reserve2.cottonclubjapan.co.jp/reserve/plan#5743

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