12月5日より、映画『WIND BREAKER／ウィンドブレイカー』が全国の映画館で上映中。同日、主題歌であるBE:FIRST「Stay Strong」のリリックビデオが公開された。

JUNONが作詞に参加　映画との親和性が高い楽曲に

　にいさとるによる同名漫画を原作とした映画『WIND BREAKER／ウィンドブレイカー』は、ケンカだけが取り柄の孤独な高校生・桜遥が、街を守る英雄として成長していく過程を描いた物語だ。舞台は、不良の巣窟として恐れられてきた風鈴高校。その“てっぺん”をとるために入学してきた桜だが、2年前より風鈴高校の生徒たちは“防風鈴＝ウィンドブレイカー”と呼ばれ、街を守るヒーロー的な存在として慕われてきたことを知る。想定外の状況に当初は戸惑い、周りと衝突する桜だが、防風鈴の総代を務める梅宮一をはじめとした仲間たちの熱い想いや優しさに触れ、次第に心を動かされていく。

　主題歌の「Stay Strong」は本映画のために書き下ろされ、10月29日にリリースされたBE:FIRSTの初のベストアルバム『BE:ST』に収録された。楽曲はSKY-HIと、本作の劇中音楽も手掛けた音楽プロデューサーのYaffleが共同プロデュース。加えて、映画で防風鈴のメンバー・杉下京太郎役を演じたJUNONも作詞に参加している。イントロから響く熱いギターの音色に、繰り返されるコーラスのフレーズ。仲間と共闘することを表すような、力強いロックテイストの楽曲だ。

BE:FIRSTが歌う“本当の強さ”とは

　公開された「Stay Strong」のリリックビデオは、映画と同じく萩原健太郎監督が演出を担当しており、映画の名シーンと主題歌が見事にシンクロする作りになっている。人との関わりを避け、〈孤独の強さを掲げる〉ようにして生きてきた桜。「てっぺんに立てば自分自身を認められる」「人に頼るのは弱いこと」だと思い込んできた彼が、個性豊かな風鈴高校の生徒たちとの出会いによって少しずつ変わっていく。自分自身の弱さと向き合い、心の氷がゆっくりと溶かされていくような過程が、映像でも歌でもしっかりと紡がれているのだ。

　そして、「本当の強さとは？」という問いかけが、映画でも「Stay Strong」でも重要なテーマになっているように思う。大切なモノ、人を守るために闘う防風鈴。一方で、彼らと敵対する存在であり、力の絶対信仰を掲げる獅子頭連。映画では二組の信念がぶつかり合い、やがて大きな闘争へと発展していくことになる。「Stay Strong」の〈勝ちか負けだけが正義なんじゃない／守れ〉というフレーズが、登場人物たちの叫びのように響きわたるのだ。作品に寄り添った主題歌に仕上がったのは、プロデュースを務めたSKY-HIとYaffleの手腕はもちろん、キャストの一人として映画に向き合ってきたJUNONの力も大きいだろう。

　「Stay Strong」と『WIND BREAKER／ウィンドブレイカー』の親和性の高さもさることながら、この曲をBE:FIRSTが歌うことにも大きな意味があるように感じる。なぜなら、BE:FIRSTも一人ひとりが極めて高いパフォーマンススキルを持ったグループだからだ。歌もダンスも個々にハイレベルな6人が、仲間と出会って同じ夢を掲げ、一緒に上を目指していく。そんなBE:FIRSTの物語と、『WIND BREAKER／ウィンドブレイカー』もまた、どこか通じるものがあるように思う。BE:FIRSTが歌うからこそ、「Stay Strong」のメッセージはより説得力を増して聴こえるのではないだろうか。

　公開以降、「歌詞が映画に合っている」「作品とリンクしている」と話題を集めている「Stay Strong」のリリックビデオ。そんな「Stay Strong」は映画の主題歌であると同時に、BE:FIRST自身の歩みともリンクした一曲だ。彼らが歌う「Stay Strong」と『WIND BREAKER／ウィンドブレイカー』は、仲間とともに生まれる強さを私たちに伝えてくれる。