このように少しずつ塗り変わっているバイラルチャートで、着実に順位を上げてきているのがGYUBIN「Really Like You」である。2月23日付で4位にランクインしてから、2月最終週には最高順位2位を記録すると、とうとう先週1位の千葉雄喜「チーム友達」を追い抜き首位獲得するまでに至った。日本以外にも台湾や香港のバイラルチャートでも首位を獲得するなど、アジア圏での反響も大きい。

　GYUBINは、K-POP第5世代女性ソロアーティストで、この「Really Like You」がデビューシングルにあたる。これまでに「Start To Shine (feat. Gaeko)」、「Scribble (feat. Wonstein)」をリリースしてきた彼女。ラッパーのGaekoやWonsteinとのコラボ作品となるこれらのプレデビューシングルでは、HIPHOPの要素を取り入れた洒脱でこなれた雰囲気の作品を発表してきたが、正式なデビューを飾る「Really Like You」は、GYUBINの初々しい魅力が詰め込まれたデビュー曲らしい楽曲となっている。テイラー・スウィフトのアルバム『Red』を彷彿とさせるチアフルでポップなサウンドに仕上がったこの楽曲。 YouTubeのGYUBIN公式チャンネルには、テイラー・スウィフトの「Anti-Hero」をカバーしている動画も投稿されており、同じ10代からシンガーとして活躍するテイラー・スウィフトから受ける影響の大きさがうかがえる。

　また、ストレートで屈託のないティーンエイジャーの等身大な恋を描いた歌詞も大きな共感を呼んでいるようだ。ポップで前向きなラブソング「Really Like You」は、奇をてらわないある意味王道なデビュー曲であるように思えるが、グローバルな音楽市場へのアプローチも見えてくる部分にGYUBINの大きな夢が浮かび上がってくる。というのも、この「Really Like You」には韓国語のオリジナルバージョンに加えて英語バージョンも合わせてリリースされているのだ。MVも韓国語、英語の両バージョンが用意されており、すでにYouTubeで20万回以上再生（3月11日現在）されている英語バージョンのMVには、英語でのコメントが多く寄せられている。また、公式YouTubeチャンネルには、テイラー・スウィフトだけでなくケリー・クラークソンやアデルの楽曲をカバーしている動画も投稿されてことからも、彼女の見据える先は韓国国内だけに留まらず、グローバル市場にまで及んでいるように思う。アジア発のアイドルグループとしてBTSやBLACKPINKが切り開いた道を、ソロシンガーとしてGYUBINが押し広げてくれることを期待したい。

※1：https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2024-03-06