ライブのハイライトは、スペシャルゲストの春野をステージに招いて始まった「あらいざらい feat. 春野」。メロウな掛け合いがたちまちオーディエンスの心を掴み、2人のセッションも後半に向かうにつれて熱を帯びる。以前から春野の大ファンだったというAnonymouzは今回の共演を誰よりも楽しみ、歌唱中、ふいにこぼれる満面の笑顔が印象的だ。直後のMCでは、春野が「（Anonymouzが）めちゃくちゃファンガールだったね（笑）」と楽曲制作時からを振り返り、Anonymouzは「今日のライブで一緒に歌えて、やっと楽曲が完成した感じ。春野さん、本当にありがとうございます！」と感無量の表情を。春野が退場した後は「これからもどんどん大きな夢に手を伸ばしていこうと思っているのでついてきてください。一緒に幸せになりましょう」とファンにメッセージを届けた。

　ラストスパートは都会的な疾走感がたまらない「JAM」で煽り、山台に乗ってフロアを指しながらノリノリに歌うひと幕も。そして「ラスト！！」と高らかに声を上げた本編最後は「夜行性」。ステージに登場したサンプリングパッドを操りながらのチャレンジングなパフォーマンスで、観客も一斉にハンズアップ。高いボルテージのまま駆け抜け、「最高です！　ありがとう！」と言い残してライブは終了した。

　間髪入れずに始まったアンコールは、椅子に座り、ピンスポットを浴びながらピアノ1本で歌った「Eyes」が絶品。伸びやかでハリのあるボーカルに聴き惚れる。そして正真正銘のラスト曲は、wacci 橋口洋平の提供曲「レッスン」。ゆるやかな音に身を委ね、最後までしっかりと想いを込めて歌う誠実なステージに大きな拍手が贈られた。

　次回のワンマンライブを自身の誕生日である5月21日に恵比寿・LIQUIDROOMで開催することも発表した今回の公演。変幻自在かつ圧倒的な歌唱力と多様なライブパフォーマンスに心躍らされ、今後がさらに楽しみになる一夜だった。