デビュー曲「繋いだ手」で初めて挑戦した作詞

――『SAPPORO COLLECTION』で和田さんと出会って、そこから半年くらいでメジャーデビューすることが決まったわけですよね。デビューすることが決定した時、まず率直にどう思われましたか？

MINAMI：自分のことなのに、信じ難い気持ちでいっぱいでしたね。歌は好きだったけど、めちゃくちゃ上手なわけではないし、「私がアーティストデビューしていいのかな？」って。でも、自分の歌をみんなに聴いてもらえるのはすごく楽しみだなと思っていました。

――デビューが決まってから、音楽への向き合い方は変わりましたか？

MINAMI：曲の歌詞や歌い方を特に意識して聴くようになって、ライブ映像もたくさん観ました。ライブにきているお客さんがアーティストに夢中になっている姿を見て、「私もこんなふうになりたいな」と思うようになりましたね。

――今回、メジャーデビューと同時に初の作詞にも挑戦されていますね。

MINAMI：デビュー曲は、ファンの方たちに向けた曲にしたいという思いがありました。日頃から動画をアップしたりすると、よく「いつもありがとう」と言っていただくんですけど、逆にこっちが「ありがとう！」という気持ちなんですよね。だから、1番の歌詞は（SNSへの投稿などの）活動を始めた時の思い、2番はファンの方へ向けた歌詞になっています。和田さんと6月に2泊3日の合宿をして、その時に歌詞を仕上げてレコーディングまで終えました。

――そんな短期間で仕上げたなんて、すごいスピード感ですよね（笑）。

MINAMI：和田さんや他のスタッフさんに囲まれながら、歌詞を書いていましたね（笑）。なんとなく歌詞のイメージは考えていたんですけど、リズムに当てはめたり、響きのいい言葉を探したりするのはすごく難しかったです。応援してくださるファンのなかには小学生の女の子も多いので、ストレートで伝わりやすい歌詞にしようと意識して。ちゃんとそう仕上がったかなと思います。

――お気に入りのフレーズはありますか？

MINAMI：「にじむ」と「にじ色」を掛けた〈にじむ世界を にじ色に 僕は君をつれていく〉のところがすごく好きです。先に〈僕は君をつれていく〉の歌詞ができていて、そのあとに「にじむ」という言葉が思い浮かんで。〈にじむ世界〉をどうしようかと考えていたときに、〈にじ色に〉という歌詞がパッと降ってきて完成しました。和田さんにも「ここの歌詞がいちばんいい」と褒めていただきました。

――先にトラックが出来上がっていて、そこに歌詞をはめていったんですか？

MINAMI：はい。和田さんにバラードがいいとリクエストして、先にメロディを作ってもらっていたんです。和田さんが書いてくださった仮の歌詞があったんですけど、私の書いた歌詞で上書きをしていったり、文字数に合わせてメロディを調整してもらったりして出来上がりました。音楽活動自体が初めてのことなので、“普通”の流れというものがわからないんですよね。でも、このやり方だからこそ、「繋いだ手」ができたんだと思います。

――レコーディングも初だったと思いますが、経験してみていかがでしたか？

MINAMI：難しかったけど、「これが曲になるんだ！」と思うとすごくわくわくしました。歌い方や感情の込め方ひとつで聴こえ方が全然違うので、エンジニアさんにもアドバイスをたくさんいただきながら、頑張って曲の世界観を表現しました。最終的には、自分でも「初めて歌った時からよくなっているな」と思えるくらい少し成長できましたし、どのフレーズも気持ちを込めて歌えたと思います。

――ゆったりしたバラードなので、より歌詞が心に響いてきますね。

MINAMI：ラスサビの1回落ちてから盛り上がる部分は、特に頑張って歌いました。Aメロは特にゆっくりなので途中であえてブレスを入れてだらだら聴こえないようにしていますし、「あなたに届け この想い」の最後が1番高い歌声なので、ちょっと歌い方を変えています。細かいところまでこだわっているので、ぜひ隅々まで注目して聴いてみてほしいです。

――ファンの方からの反響も大きかったんじゃないですか？

MINAMI：「感動しました！」ってコメントをしてくれたり、歌詞動画を作ってくれたりして。それを見て、「みんなにちゃんと届いているんだな」という実感がわいてきましたね。お姉ちゃんがこの曲の振り付けを作ってくれたんですけど、自分の曲で踊るのはちょっと不思議な感じです（笑）。