「Fantastic」は福士久美子のことを表した断捨離ソング！？

ーーそれから「セダンとクーペ」はレゲエのリズムなんですけど、それもUKを経由した感覚がありますよね。SHERBETSらしいと思います。

浅井：まあ、俺からしてみりゃ、UKだろうが何だろうが、カッコよければいいんだわ。セダンとクーペの違い、わかる？

ーー……いやぁ、車に詳しくないので、わからないです。

浅井：わかってないね！　俺はThe Stone Roses知らんけど、セダンとクーペの違いはわかるよ（笑）。教えてあげようか？

ーーお願いします（笑）。

浅井：車を横から見ると、ボンネットあるじゃん？　それから屋根があって、その後ろにトランクがあるのが、セダンタイプ。で、クーペはそこが流線形になってて、後ろは斜めに落ちてるの。だからタクシーでよくあるみたいに、後ろがカクッと下がってるのがセダンで、なだらかになってるのがクーペ。このこと、書いといて。

ーーありがとうございます（笑）。しかし〈シリアル〉と〈リアル〉とか、〈レッサーパンダ〉と〈レーサー〉とか、言葉遊びがかなり散りばめられた曲ですね。

浅井：うん。オヤジギャグになってないかな？　そこだけが心配なんだけど（笑）。最後に〈メガネがどこ行ったんだかわからねぇ〉と歌ってるけど、それ、本当にそうだったんだわ。まだその歌詞ができてない時に、歌っていたら「メガネ、どこ行った？」みたいになって。「メガネ知らん？」って言ってたら、「あ、これで締めたらいいわ」と思ったの。神がかってるでしょ？　俺はそう思ってるんだけど（笑）。

ーー現場での実話が歌詞になったんですね。それから「Fantastic」もライブをこなしてきた感覚が出た曲だと思いました。

浅井：そうだね。まあ25年もやってきてるからね（笑）。これは「福士さんについての歌ができちゃった」って感じ。

福士：そう！　最初、ベンジー（浅井）がニヤニヤして、いたずらっぽい顔で「私の曲ができた」と言ってきたから、「どうせ変なこと言ってるに決まってる」と思ってちょっとビビってたんだけど。この曲のレコーディングの日になって、ベンジーが急に「やっぱり福士さんの曲じゃないわ」って（笑）。聴いていくうちに、私が本当に曲の通りだから、レコーディング中に怒らないように言い直したんだと思ったけど。

浅井：そう、ひどすぎるなと思って。「それはやめよう」と（笑）。

ーー（笑）。断捨離ができない人のことを歌った曲ですね。

福士：でも、すごくわかるというか……私、引っ越しをして、家が全然片づいてなくて。部屋のいろんなものの住所がまだちゃんと決まらないような状態なんだけど、この曲で自分に当てはまる歌詞がいっぱいあって。

ーーどのあたりですか？

浅井：全部じゃない（笑）？

福士：〈部屋は自分の心〉とか〈ごちゃごちゃしているんなら〉とか。この前も聴いてて思ったのは、〈10年以上使ってない／物は捨てよう鉄則〉とか、〈とっくにはまらないデニム〉とか。いろいろ全部当てはまってるのかなとか思って笑っちゃう（笑）。

浅井：この前もそこに「ドキッとしたんですよ」と言ってくれた人、いたね。きっと、ほかにもたくさん現れるよね、ドキッとする人。

福士：たぶん現れると思う。私、服を山ほど持っているんですけど、〈誰かに送っちゃう手もある〉とか〈次のステージには何にも持ってけないよ〉とか歌ってて……「この曲、片づけの先生かな？」みたいに思って（笑）。そうやって私に注意してくれるんだけど、最後にちょっと理解してくれるように〈とっとけ！〉と言うので、かえって「え〜なんで急にそんなこと言うの？　イヤだ！　私は絶対に捨てます！」みたいな、断捨離する心がさらに強まるの（笑）。そういう意味でこの曲は「頑張ろう」って思える曲。「断捨離を頑張って、ごちゃごちゃをクリアにしていこう」みたいな気持ちになる。しかもこの内容でタイトルが「Fantastic」というのが笑えていいなと思う。

浅井：応援ソングだね（笑）。世の中、こういう人だらけだと思うよ。

「過去最高のライブをやろうと思ってる」

ーーそれから「愚か者」も印象深い曲ですね。

浅井：うん。ピアノ始まりで、俺も大好きだね。うまくいったと思う。

福士：これ、（アルバムの中で）一番最後に録ったんだよね？　（レコーディングの）時間がなくなってきて、ベンジーが「やめる」って言い出したんだけど、私が「いや、やろう」と言って。「もうちょっと頑張ったらできる！」と思ったから、絶対ここまでは録ろうって。そしたら良かったよね？　すぐできたもんね。

浅井：そうだね。やってみて良かったね。

ーーそしてアルバムのタイトルですが、初回限定盤につくブックレットの中で浅井さんが「好きじゃなかったチョコレート。最近になってそのおいしさがわかってきたような気がしてる」と書いていて。それが『Midnight Chocolate』というタイトルにつながったということですね。

浅井：うん。チョコレートは好きじゃなかったよ、全然。食べるのはキットカットぐらいだった。ゴディバのチョコレートももらったけど、何が美味いかわからないね。

ーー昔から辛いもの好きですもんね。

福士：私は時々、疲れると、チョコレートとかクッキーとか食べるかな。

浅井：そうだね。酒を断つと甘いものが食べたくなる。で、久しぶりに酒を飲むと、その反動がヤバいけどね。まあタイトルはいろいろ考えたんだけど……たまには夜にすごくおいしいチョコレートを食べながら、どっぷりと音楽を聴くことにして、その音の世界に行ってみるのはいいんじゃないかなって。そういう場面を想像してつけたんだけどね。

ーー“真夜中のチョコレート”で、より漆黒のイメージですね。これらの曲が今度のツアー（『SHERBETS 25th ANNIVERSARY TOUR「Midnight Chocolate」』）でどう演奏されるのかが楽しみです。

浅井：うん、過去最高のライブをやろうと思ってるので。楽しみだね。

福士：私もそう。自分の中で勉強してきたこと、やってきたことがあるからこそ生まれる音楽をライブでやれたらいいなって思う。それで新たな境地に続くようなことができたらなと。それから、25周年だと思って来てくれる人もいるだろうから、SHERBETSの今までの思いとかも含めて、最高のライブができたらいいな。大切な時間にしたいと思っています。

※1：https://realsound.jp/2022/10/post-1163161.html

■リリース情報
SHERBETS
New Album『Midnight Chocolate』
4月26日（水）発売

【初回生産限定盤】4,950円（税込）
・60Pスペシャルブックレット「AUTOMATIC COMEDY」
・アルバムジャケット柄ポストカード12枚封入
・SPECIAL BOX仕様
【通常盤】3,300円（税込）

＜収録曲／初回生産限定盤、通常盤共通＞
1.知らない道
2.Spread City
3.セダンとクーペ
4.HAMMER HEAD BRUNCH
5.Aurora Squash
6.Fantastic
7.愚か者
8.ROLL
9.こわれた大人
10.優雅に行こうぜ

■ツアー情報
SHERBETS 25th ANNIVERSARY TOUR『Midnight Chocolate』
5月18日（木）新潟CLUB RIVERST
OPEN 18:30 START 19:00 info / キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
5月19日（金）仙台MACANA
OPEN 18:30 START 19:00 info / GIP  https://www.gip-web.co.jp
5月21日（日）札幌cube garden
OPEN 17:30 START 18:00 info / マウントアライブ 011-623-5555
5月26日（金）福岡DRUM Be-1
OPEN 18:30 START 19:00 info / LAND 092-710-6167
5月27日（土）岡山IMAGE
OPEN 18:00 START 18:30 info / YUMEBANCHI(岡山) 086-231-3531
6月3日（土）大阪CLUB QUATTRO
OPEN 17:45 START 18:30 info / 清水音泉 06-6357-3666
6月4日（日）名古屋THE BOTTOM LINE
OPEN 17:15 START 18:00 info / JAILHOUSE 052-936-6041
6月8日（木）東京Zepp Shinjuku
OPEN 18:00 START 19:00 info / SMASH 03-3444-6751
6月17日（土）沖縄Output
OPEN 17:30 START 18:00 / PM AGENCY 098-898-1331

TICKET　¥6,800（TAX IN,1 DRINK ORDER）
＜一般チケット発売中＞
イープラス
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チケットぴあ
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Official Website（浅井健一|SEXY STONES RECORDS）