昨年11月に新メンバー3人が加入し、第2章のスタートをきったLittle Glee Monsterは鮮やかなブルーの衣装をまとって登場。「夢がはじまる」「君に届くまで」という水野が提供した2曲を披露し、鮮やかなハーモニーを響かせた。大きな弧を描くミドルテンポの曲調に、6人が代わる代わる歌いサビで一つになるようなLittle Glee Monsterのボーカルパフォーマンスで観客を魅了していた。

　続いては俳優の伊藤沙莉が登場。『OTOGIBANASHI』で携わった「光る野原」を歌った。伊藤はこれまで他のアーティストの楽曲にラップで参加したことはあったものの、こうしたライブイベントで歌うこと自体がほぼ初めてだという。とてもレアな機会だ。ハスキーな歌声と、楽曲の世界に入り込んだかのように歌うその姿には、思わず惹き込まれるような存在感が宿っていた。

　続いて登場したのは、HIROBAのトークコンテンツ「対談Q」をきっかけに関係が深まったという大塚 愛だ。デビューの時期は異なるが水野と同い年という大塚は「よかったよ、ここまで」とフランクなトーンで水野に話しかけ、共作した「ふたたび」を披露。2人がピアノを弾きながらデュエットで歌う。歌い終えた大塚が「映画の中みたいだった」と感慨深く語る、濃密な時間が流れていた。続いて披露した大塚 愛のオリジナル曲「日々、生きていれば」もシンプルなメロディを2人で声を重ねて歌い、胸に染みるような響きが生まれていた。

　ここまで様々なゲストが登場してきたが、本編ラストは水野が1人で歌った「I」だ。「HIROBAを始めた頃に作った、決意のような気持ちを歌った曲です」と、自身の思いを綴った言葉を力強く歌い上げ、ステージを降りた。

　アンコールを求める盛大な拍手に迎えられて再びステージに登場した水野は、観客への感謝を告げ、「僕の尊敬する小田和正さんが『クリスマスの約束』という番組をやってきて、それを傍で見させていただいてきて。小田さんがやってきたことを自分なりに表現するなら、僕は曲を作ることで誰かとつながれたらということで、HIROBAを続けてきました」と、HIROBAというプロジェクトに込めた思いを改めて語る。「小田和正さんへの敬意を込めて」と、『クリスマスの約束』のテーマ曲として制作された「この日のこと」と、小田和正と共作した「YOU」を、丁寧に歌った。

　そして、この日が有観客ライブでは初の歌唱となる橋本愛が登場。共作した「ただ いま」を吐息混じりの歌声で歌い始めると、会場の空気がガラリと変わる。情感を込めたボーカルには、思わず息を呑むような響きが宿っている。歌い終えた橋本は「緊張した」と胸をなでおろしていたが、まさにピンと張り詰めたような美しさを感じさせる瞬間だった。

　そして、この日の最後に披露されたのは、48時間の生配信イベントで制作しレコーディングを行った「星屑のバトン」。編曲を担当した亀田誠治が再びステージに登場し、水野は楽曲制作時のエピソードを振り返りつつ「バトンが受け渡されるように繋いでいければいいな」と語り、思いを込めて歌い上げた。

　ラストにはこの日に登場したゲストアーティストを一人ずつ招き入れ、バンドメンバーと出演陣が一列に並んで終演。HIROBAというプロジェクトによって生まれた沢山の「つながり」が結実した、とても幸福な光景が記憶に残るようなステージだった。

1. ステラ2021
2. 風来
3. 透明稼業
4. 人魚
5. 哀歌
6. みらいのこども
7. 幸せのままで、死んでくれ
8. 僕は君を問わない
9. 南極に咲く花へ
10. 愛したいひと
11. さよならだよ、ミスター
12. 夢がはじまる
13. 君に届くまで
14. 光る野原
15. ふたたび
16. 日々、生きていれば
17. I

EC1. この日のこと（cover）〜YOU
EC2. ただ いま
EC3. 星屑のバトン