一方で、Type-A収録の「やさしさの重さ」はディスコ調によるポップなアレンジの一曲。とある事実を知ってしまった主人公がそれを友達に伝えるべきなのか悩んでしまうという苦悶の歌詞と、底抜けに明るいサウンドの組み合わせが面白い。Type-B収録の「キスをちょうだい」は、近未来感のあるシンセサウンドと優しいメロディが印象的なダンスナンバー。爽やかながらも温かさも感じられる音作りが心地よい。劇場盤に収録されている「チョコレートで眠れない」は、恋をして眠れない乙女心を、チョコレートを食べて寝つけなくなった様子に喩えた一曲。激しいロックアレンジによるクールかつキュートなアイドルソングに仕上がっている。

　詩的で繊細、なおかつ前向きな緊張感の込められた表題曲に対して、ポップで聴きやすさ重視の軽快なナンバーがカップリング曲に揃い、全体的にバランスのとれたシングルだ。