麻倉ももが11月6日、中野サンプラザホールにて『LAWSON presents 麻倉もも Live Tour 2022 “Piacere!”』ファイナル公演を行った。麻倉にとって初のソロツアーでもあり、初のバンドセット公演となった本ツアー。定刻、会場が暗転し、ステージを隠すように降りていたベールの内側でジャジーな演奏が奏でられると、ライブがスタート。ベールが開くと、ステージ下手側にはバンドが、上手側には階段状のセットで眠っていた麻倉が目覚まし時計の音で目を覚ます。彼女のあくびを合図にして1曲目「ネムイケド」へ。楽曲にぴったりの演出で豪華な開幕だ。ダンサーも加わり「Good Job！」に繋がると、歌詞の通り会場をトキメキに包むようにキラキラとした空気を作り上げた。

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　「みんなも一緒に踊りましょー！」と「カラフル」に突入すると、ステージ上も色とりどりな照明に彩られる。存在感のある、しかし軽快なバンド隊の音色に明るくパワフルな歌声が乗り、ポップなステージを織り成した。

　「ツアー最終公演、もう信じられないです。このツアーで、今歌った3曲をもう歌うことがないと思うと寂しいですね」と話した麻倉は、ツアーを共に周ったサポートメンバーにも話を振りながらツアーの思い出を振り返る。「何があったっけ。忘れちゃうくらい思い出がいっぱいです」。笑いを誘いつつそう語った麻倉は、「最後まで楽しんでいってね！」と続けて「シュークリーム」を披露。持ち前のキュートな歌声を響かせながら、甘くももどかしい歌詞を紡いでいくと、「Love me, Choose me」では雰囲気を一変。ダンサブルな曲調で盛り上げ、ファルセットを織り交ぜていく。ビルドアップの使われた構成や音色も含め、音源ではよりEDM色の強い楽曲だが、ライブではバンド演奏であることで雰囲気も変化し、勢いのあるドラムフィルやキーボードのソロが迫力を醸していた。「ふたりシグナル」ののち披露した「フラワーズ」では残響のある歌声が柔らかく広がり、幻想的な空気に包まれる。包容力のある、希望的な歌声を届けた。

　サポートバンドのもも組音楽隊によるセッションが始まり、ソロ回しのパートではスキルが光る演奏で魅了する。「トクベツいちばん!!」のフレーズを挟んだ演奏でオーディエンスを楽しませたあとはぐっと落ち着いた雰囲気に変化し、エレガントな「eclatante」へ。衣装を替え戻ってきた麻倉の優雅な振る舞いとおとぎ話のようなファンタジックな雰囲気で、楽曲のドリーミーな世界へと没入に誘う。続く「ユメシンデレラ」では曲前半をキーボードの杉直樹と2人で演奏。じっくりと奏でられるキーボードに静かで可憐な歌声を乗せ、1サビ後にバンドが加わると声色も明るく変化。バンド編成ならではのダイナミックな抑揚を見せた。続く「monologue」のサビに向けて力強くなるドラマチックな演奏は、歌詞の内なる激情を表しているよう。そんな演奏に乗せて、絞り出すような彼女の歌声が切なげに響く。