終盤のMCでHIROKIは、こうして再びファンの前で歌えることの深い感慨を丁寧に語った。コロナ禍で一番大事なライブの機会が奪われて、音楽の存在意義について改めて考えさせられることもあったという。そして、ライブを行えない日々の中で改めて音楽と向き合ったことで、「歌を歌いたい」「ORANGE RANGEの音楽を届けたい」という想いを新たにしたという。こうしてステージに立てることは、決して当たり前のことではない。だからこそ、一つひとつの公演ごとに幸せを噛み締めながら歌を届けたい。HIROKIが語った言葉は、とても切実で等身大なもので、だからこそ深く胸を打った。

　そして、しんみりとした空気を自ら跳ね除けるように、最強のサマーアンセムを立て続けにドロップしながら、クライマックスの熱き高揚感を高めていく。そして、ついにとっておきの時間がやってきた。RYOの「お手持ちのパンティーを！」という煽りを受けて始まったレゲトンナンバー「Pantyna feat.ソイソース」では、観客がタオルの代わりに握りしめたパンティーをめいっぱい回してみせた。曲のラストには、NAOTOがバズーカで大量のパンティーを発射するサプライズも。今まで観たことのないフロアの光景、体感したことのないライブ演出、そしてこの時間を誰よりも楽しみ尽くしていたメンバーたちの眩い笑顔は、きっとあの場に参加した人たちにとって、いつまでも忘れられないものになるはずだ。圧巻だった。

　今はまだ観客は自由に動くことはできないし、声も出すこともできない。それでも、こうした状況を引き受けながらライブを楽しむ観客に最大限のリスペクトを込めて、HIROKIは「今回のライブに、＋αでみんなの声が足された時、きっとものすごいことになりますよ。その日までもう少し、ORANGE RANGEらしく走っていきたいと思います」と告げた。そして本編の締めくくりでは、「この数年間、頑張ってきた自分たちに届けてください！」と高らかに叫んだ。何度も絶頂を更新し続けてきたはずの今回の公演において、さらなる絶頂を叩き出してしまうような熾烈なフィナーレであった。

　ORANGE RANGEの長きにわたるツアーは、まだ始まったばかり。これからも彼らは、一つひとつのステージに立つ喜びを噛み締めながら、そして、コロナ禍でできる最大限のライブを更新し続けながら、一歩ずつ懸命に歩み続けていくのだろう。かつてのように観客が自由にライブを楽しめる日が来た時、ORANGE RANGEのライブ空間はどのように進化するのか。今から楽しみに待ちたい。

■ライブ情報
『ORANGE RANGE LIVE TOUR 022-023 〜Double Circle〜』
ツアー特設サイト：https://orangerange.com/feature/tour022_023

2022年11月23日（水・祝）　埼玉 サンシティ越谷市民ホール
2022年11月26日（土）　神奈川 ひらしん平塚文化芸術ホール
2022年12月3日（土）　兵庫 たつの市総合文化会館 赤とんぼ文化ホール
2022年12月4日（日）　大阪 富田林すばるホール
2022年12月8日（木）　大分 中津文化会館
2022年12月10日（土）　長崎 壱岐の島ホール
2022年12月17日（土）　茨城 日立市民会館
2022年12月18日（日）　埼玉 熊谷文化創造館さくらめいと
2023年1月14日（土）　山口 下関市民会館
2023年1月15日（日）　広島 JMSアステールプラザ 大ホール
2023年1月28日（土）　熊本 牛深総合センター
2023年1月29日（日）　福岡 柳川市民文化会館　水都やながわ
2023年2月04日（土）　岡山 倉敷市芸文館
2023年2月05日（日）　兵庫 神戸国際会館
2023年2月11日（土）　静岡 静岡市民文化会館 中ホール
2023年2月12日（日）　山梨 甲府市総合市民会館 芸術ホール
2023年2月18日（土）　埼玉 飯能市市民会館
2023年2月19日（日）　千葉 君津市民文化ホール
2023年2月25日（土）　群馬 美喜仁桐生文化会館 シルクホール
2023年2月26日（日）　茨城 結城市民文化センター アクロス
2023年3月04日（土）　岐阜 高山市民文化会館
2023年3月05日（日）　富山 南砺市福野文化創造センターヘリオス
2023年3月11日（土）　鹿児島 指宿市民会館
2023年3月12日（日）　宮崎 西都市民会館
2023年3月25日（土）　宮城 仙台電力ホール
2023年3月26日（日）　岩手 盛岡市民文化ホール
2023年04月01日（土）　神奈川 よこすか芸術劇場

＜ホール会場チケット料金＞
【全席指定】
6,000円（税込）
【親子席】
大人：6,000円（税込）
子供：3,000円（税込）