『A Tiny Winter Story』インタビュー
南條愛乃×あさのますみ、心の距離を近づけた二人だからこそ描けた大切な人との別れ 「素敵な恋愛は“余韻”が残る」
「なんちゃんの声が冬に合ってる」（あさの）
南條：いい思い出ですよね。それこそ寒い冬の中だけど、一緒にいることで感じられる温かさだったりとか。本当に大切な思い出を歌詞にしていただいたので、私もそれなりの覚悟をなくしては歌ってはいけないという気持ちで、細部までちゃんと神経を抜かずに歌いました。そのあと、完成版が上がってきたんですけど、空間がすごかったんですよね。平面じゃなく、本当にそこに世界があって、その中に二人がいるっていう感じがして。
あさの：なんちゃんのコーラスもいっぱい入ってるもんね。
南條：そうですね。ちょっと夢を見ているというか、どこまでが現実で、どこまでが心の中のお話なのかみたいな。現実と想いの間みたいな感じで。現実感もあるし、浮遊感もあるなと思って聴いていて。これはもう、お気に入りだってなりました。
あさの：作詞した段階でもコーラスはいっぱい入っていて。歌詞をつけても、つけなくてもいいですって言われていたんですけど、私はメインのメロディラインのところだけつけて。「これ以上、何か言いたいことあるかな？」と思いながらも、「アレンジの方向性で必要なところがあったら、いつでも書きますのでご連絡ください」と言っていたら、次に来た時はもう完成していて。コーラスが言葉じゃない形で入っているのがすごく素敵だったんだよね。本当にこの曲の世界の中にスッと吸い込まれる感じがして、すごく素敵に変身してるって。
南條：後半のコーラスで初めて、〈シャンランランラン〉と歌っていて。歌った時はどうなるんだろうなって思ったけど、井内さんが素敵にまとめてくださいましたね。
ーー現実と思い出を行ったり来たりしてる感じが出てますよね。南條さんの歌声はどうでしたか。
あさの：他の曲も聴かせてもらったんですけど、なんちゃんの声が冬に合ってるなと思いました。透明感もあるし、神聖な感じがして。ちょっとクールな表現なのかと思いきや、最終的にはあったかいところに連れていってくれる感じがある。こんなに冬の曲が合う人はそういないっていうくらい、どの曲もすごく素敵だし、いろんな冬がある。夏だけ活動するアーティストがいるとしたら、なんちゃんは冬だけ活動するアーティストが当てはまるくらいピッタリだなと思いました。
南條：私も自分を1年の中の季節に当てはめたら、秋や冬寄りの声だと思うし、そもそも秋冬が好きなんですよ。ただ、これまでは誕生日（7月12日）近辺にリリースすることが多かったので、なかなか冬の曲がなかったんですよね。でも、今回、冬に出せることになったので、あさのさんが言ってくれたように、いろんな冬の曲が入ったアルバムにしたいなと思って。ほっこりもあれば、クリスマスもあったり、切ないもあるし、凍てつく冬があったり、「余韻」のようにしんとした空気の曲があったりする。とにかく冬の物語を詰め込みたいなと。
あさの：なんちゃんも歌詞を書いているけど、それぞれ、こんなに違う冬が出てくるんだなって思った。
南條：私もそれに興味があったんです。みなさん、冬の曲と聞いて、どんな冬を想像するのかなと思って。齋藤真也さんにだけは「凍てつく冬をください」と言ったんですけど、歌詞もばらけていて、客観的に見ても面白いなと思う。いろんな冬になってよかったです。
「「白い季節の約束」のアンサーソングにしたかった」（南條）
あさの：なんちゃんは1曲どのくらいで書くの？
南條：結構まちまちなんですけど、どういう曲にしようかなって頭の中で考えている時間が数日あって。書き始めると、早いと2〜3時間くらいで終わりますね。
あさの：2〜3時間で！？
南條：バーって書いて、1回寝かして。書き直す時もあれば、そのままの時もあります。ただ、事前に考えている時間が長いです。世界観とかテーマとか、どんな気持ちを書きたいかとか。パソコンの画面に向かうまでの時間が長いかもしれないです。
あさの：へぇ〜。私は曲をもらったら、全体像を把握するために、本当に適当な言葉で音に当てはめてから書きます。作詞する上で大事にしてるのは「一番言いたいことは書かない」ってこと。その曲全体を聴いたときに、聴いた人の心の中にその言葉が自然と浮かぶといいなと思って。
南條：カッコいい！
あさの：（笑）。エッセイを書く時もそうなんですけど、感情に言葉で名前をつけると、ある種、限定されてしまうじゃないですか。でも、言葉で名前をつけないと、いろんなふくらみ方がある。例えば、「余韻」でも、別れてしまった彼と会いたいという気持ちがあったとしても、会いたいんだろうな、大好きだったんだろうなということは、歌詞の中にそのままズバリは書かないんですね。でも、聴いた時には誰にでもわかるようにしたい。その感情が聞いた人の心の中に込み上げてくるといいなという思いで、全ての歌詞を書いています。
南條：素敵だ！ 私は逆にズバって書いちゃうかも。99%くらいは物語に則って書いているんだけど、本当に言いたい単語や気持ちは、どこかに1カ所書いている感じです。サビの頭ではなくて、Bメロとか、Dメロのちょっとしたところに、核心の言葉をどこか1カ所に入れるかもしれない。「A Tiny Winter Story」だと、「白い季節の約束」のアンサーソングにしたかったので、〈白い季節の約束を僕はずっと覚えてる〉という歌詞から紐解いてもらえるといいかなという意味で入れたりしていて。ギミックというか、紐解いていったら実はこのことを言っているっていうことを遊び要素として入れるのが好きかもしれない。
あさの：なるほど。歌詞カードもみんなにしっかりと見て欲しいよね。
南條：そうですね。音だけで聴く方も多いと思うんですけど、歌詞を1つの物語として読んでもらいたいなと思います。
ーー最後に今後についても聞かせてください。
南條：個人的には、また一緒に何かやれたらいいなと勝手に思ってるんですけど。
あさの：私は今回、なんちゃんの表現力がすごいんだなと思ったんですよね。どんな着地点になるのかなと思っていたんですけど、聴く人によっていろんな捉え方ができるように歌ってくれた。自分が書いた言葉がそんなふうに歌ってもらえるなら、それはもう、歌詞を書きますよ！ というか、書かせていただきたいですよっていう気持ちになったし、曲が増えていけばいくほど、それを表現しようとして、どんどんアーティストとしてのいろんな引き出しができていくんだろうなと思うんですね。だから、私はなんちゃんを追いかけ続けようと思ってます。
南條：ありがたいです。またぜひ歌詞を書いてください！
あさの：私でよければぜひ。今回は本当に光栄だったし、また歌詞を書かせてもらえたらすごく嬉しいです。
■リリース情報
南條愛乃
4thオリジナルアルバム『A Tiny Winter Story』
発売日：2021年12月22日（水）
品番／価格
【初回限定盤＜2CD+Blu-ray+PHOTOBOOK＞】
￥6,600（税込）
【初回限定盤＜2CD+DVD+PHOTOBOOK＞】
￥6,600（税込）
【通常盤＜CD＞】
￥3,300（税込）
発売元・販売元：NBCユニバーサル・エンターテイメント
＜CD INDEX＞
01. 白い季節の約束
作詞：南條愛乃 作曲・編曲：増谷 賢
02. Merry
作詞：Duca 作曲：叶人・Art Neco 編曲：川口ケイ（Art Neco）、美孔（Art Neco）
03. vignette
作詞：桑島由一 作曲・編曲：井内舞子
04. .物語よ始まれと願う空に
作詞：畑 亜貴 作曲：上松範康（Elements Garden） 編曲：Keiko
05. ありったけの愛しさで
作詞：rino 作曲：新田目駿（HANO） 編曲：石倉誉之
06. 全ては不確かな世界
作詞：南條愛乃 作曲・編曲：安瀬 聖
07. 青星
作詞：川田まみ 作曲・編曲：齋藤真也
08. My Heart My Hope
作詞：南條愛乃 作曲・編曲：齋藤真也
09. シュガーポット
作詞：桑島由一 作曲・編曲：藤間 仁（Elements Garden）
10. 余韻
作詞：あさのますみ 作曲・編曲：井内舞子
11. A Tiny Winter Story
作詞：南條愛乃 作曲・編曲：丸山真由子
＜初回限定盤特典＞
● 特典映像ディスク
・A Tiny Winter Story MV version
・A Tiny Winter Story Lyric Video version
・A Tiny Winter Story MV Making
・SPOT
・南條一間 ～シーズン5～
● 特典CD（Cover Songs）
01. Mr.Snowman
02. ウィンターマジック
03. 愛しさにリボンをかけて
04. スターライトパレード
● フォトブック（24P）
表題曲「A Tiny Winter Story」先行配信情報
2021年12月8日（水）0時より、各社配信サービスにて順次配信開始
https://lnk.to/yoshino_nanjo_atinywinterstory
■ オフィシャルサイト：http://nbcuni-music.com/yoshino_nanjo/
■ オフィシャルファンクラブ『ごきんじょるの友の会』：https://gokinjolno.jp/
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