諦める以外の選択肢がない世の中なんて冷たい

――eillさんはいわゆるZ世代に当たります。いま現在二十代を生きている方に愚問かもしれませんが、自分の世代の特徴や傾向についてはどう感じられますか？

eill：何かに縛られないというか一つにカテゴライズされないというか。個々で全く違いますね。好きなものも違う。中高生の頃は流行りの服もあったんです。「このブランドを着とけばイケてる」みたいな。でも今は「私が好きなブランドが私の中で流行ってる。それが超イケてる」みたいなバイブスの人が多い気がします。音楽もそうですね。「自分が聴いてて最高」ならそれが最高で、たまに友達に教えたり交換する。「これ、好きになってよ？」みたいな強要もないですね。

――そうしたeillさん自身の価値観が、ある意味ジャンルレスなeillの音楽性の源であり、だからこそ、同じ価値観を持った同世代のリスナーに響くのかもしれませんね。

eill：音楽を始めた頃は、周囲から「ジャンルを決めた方がいいよ」と言われていたんです。でも、私はジャンルでは音楽を聴かなくて、K-POPもアニソンもJ-POPも全部大好きだから、自分から出てきたメロディをその時のベストなアレンジで素直に出していきたかった。でも、最近、ようやく「これがeillの表現だよ」と言える曲が出揃ってきたような気がしています。

――「hikari」のアレンジはどのようなプロセスで？

eill：ベースとなるアレンジはSplice Sounds（※クラウド型のサンプル音源配信サービス）を使って私が作りました。ジャスティン・ビーバーとかが使っているサービスですね。

――中3から使っているピアノからいきなり飛躍しましたね。

eill：音源の沼にハマりそうです（笑）。メロディは例のピアノで作っておいたんですけど、ドラマの雰囲気的にも新し目なJ-POPのようなトラックになればと思って。

――アーティスト写真やジャケットのアートディレクションのクオリティにも目が牽かれます。毎回どのようなコミュニケーションでコンセプトを決めているのでしょうか？

eill：まず自分のなかのイメージをある程度チームに伝えて、それをもとにクリエイターのみなさんに考えてもらいます。そこもバンドと同じで、ずっと一緒にやっているスタイリストさんやヘアメイクさんが私以上に“eill感”を掴んでくれていて。私も例えばBLACKPINKを見るとパワーをもらうので、ビジュアルとかMVも含めて、みんなが強くなれるようなものを作りたいですね。

――最近、他のアーティストのパフォーマンスで感動したものは？

eill：Instagramで観たH.E.R.がギターやピアノをガンガン弾きながら歌っていたライブがすごくかっこよかったので、楽器店にギターを見に行きました（笑）。あと、カリフォルニア州のウェスト・ハリウッドで、LGBTQ＋の方々や様々な人種の方々に大きな影響を与えた曲ということで、5月23日が「Born This Way」（レディー・ガガ）の祝日になったというニュースに感動しました。人って「ありのままでいいんだよ？」と言ってもらうだけですごく楽になる瞬間があると思う。本当にかっこいいなって。

――他に社会的なイシューや身の回りで気になることはありますか？

eill：「男女平等」というスローガンを目にする機会が増えましたが、自分の周囲を見ていると、まだまだ実情がスローガンに追いつけていないような気がします。例えば私の友達で、ファッションの仕事に就く夢を諦めてお母さんになった子がいるんですが、「私、自分がお母さんになったからって、やりたいことが出来なくなるのって変だと思うんだよね」と言うので、「じゃあ、やろうよ？」と言って、私がヘアメイクとか手伝って作品を作ってみたんです。まだまた女性が生きづらい社会だと思うし、諦める以外の選択肢がない世の中なんて冷たい。そこは変えられたらいいですね。自分ができることは音楽以外でも参加したいし。

――今後のeillのビジョンについては？

eill：私は毎回ライブで「自分の人生の主人公は自分だよ」というMCをしていて。私自身、なんでそれを繰り返し言うのかな？　と考えていたんですが、多分、私自身が自分の人生をまだそう思えていないからだと気が付いて。何もない自分が嫌で、何かになりたいから歌を歌ってみたら救われて、目に見える世界がきらきらと輝き始めた。元は根暗で人見知りだから、多分、音楽がなかったら今日もこうしていろいろ喋れるような人じゃなかったと思うし、まだどこかで自信がないんですね。だからMCや歌で繰り返し言うことによって強い自分になれたらと思っているんじゃないかなって。

――少しずつ強くなってきていると感じますか？

eill：ちょっとずつ（笑）。以前は、ライブ前に手足が震えて動かなかったこともあったんですが、今はステージに一歩足を踏み入れた瞬間、緊張がパッと引くんです。すごく不思議なんですが、多分、自分の心とeillという存在がしっかりとリンクしてきたのだと思います。そもそも弱い部分があるのは悪いことじゃないし、弱い部分も自分の強みにして生きていけたらいいなって。ただ、リスナーの人たちに「eillダサくなった」とだけは絶対に思われたくない。イケてるeillの曲を聴いたらいつでもイケてる私になれる。そう思ってもらえるようなかっこいい存在でいたいですね。そこは自分にとって闘いなので、メジャーの環境に慣れ過ぎないように、ずっとゾクゾクしていたいと思います。

■リリース情報
eill 「hikari」
2021年6月21日（月）配信
URL：https://lnk.to/eill_hikari

■番組概要
『ナイト・ドクター』
6月21日（月）スタート
毎週月曜21:00～21:54　※初回30分拡大（21:00～22:24）

●出演者
波瑠、田中 圭、岸 優太(King & Prince)、岡崎紗絵・北村匠海・一ノ瀬　颯、野呂佳代、櫻井海音、／梶原 善、真矢ミキ、小野武彦／沢村一樹　他
●脚本
大北はるか（『ラジエーションハウス～放射線科の診断レポート～』『グッド・ドクター』）
●プロデュース
野田悠介（『アンサング・シンデレラ　病院薬剤師の処方箋』『コード・ブルー特別編-もう一つの戦場-』）
●演出
関野宗紀（『ラジエーションハウス～放射線科の診断レポート～』『ハラスメントゲーム』）
澤田鎌作（『監察医　朝顔』『悪魔の手毬唄～金田一耕助、ふたたび～』）
●制作・著作
フジテレビ 第一制作部

公式HP：https://www.fujitv.co.jp/NightDoctor
公式Twitter：@nd_fujitv
公式Instagram：@nd_fujitv
プロモーション動画：https://www.youtube.com/watch?v=-1q0CVFm9tM

■ツアー情報
eill Live Tour 2021『ここで息をして』
6月25日（金）18:00／19:00 愛知・名古屋QLUB QUATTRO（SOLD OUT）
6月26日（土）16:30／17:30 大阪・心斎橋ANIMA（SOLD OUT）
7月15日（木）18:00／19:00 東京・渋谷TSUTAYA O-EAST（SOLD OUT）
8月13日（金）18:00／19:00 東京・Zepp Diver City　※追加公演

＜Zepp Diver City追加公演　チケット販売　e+最速プレオーダー＞
6月14日（月）12:00〜6月23日（水）23:59
https://eplus.jp/eill/

チケット料金（税込）TICKET：¥4,000 +1Drink
e+：https://eplus.jp/eill/

■映画情報
『先生、私の隣に座っていただけませんか？』

本予告URL
https://youtu.be/wVKe3N_ZC8E
30秒予告URL
https://youtu.be/usQjxO7qFA8

■クレジット
黒木華 柄本佑／金子大地　奈緒／風吹ジュン
脚本・監督:堀江貴大　
劇中漫画：アラタアキ 鳥飼茜
主題歌：「プラスティック・ラブ」performed by eill
製作：「先生、私の隣に座っていただけませんか?」製作委員会
製作幹事：カルチュア・エンタテインメント
制作プロダクション：C&Iエンタテインメント
配給・宣伝：ハピネットファントム・スタジオ
TSUTAYA CREATORS’PROGRAM FILM 2018 準グランプリ受賞作品
公式サイト：https://www.phantom-film.com/watatona/

公式Twitter・Instagram：@watatona_2021
コピーライト：©2021「先生、私の隣に座っていただけませんか？」製作委員会

eill 公式サイト：https://eill.info/
eill 公式Twitter：https://twitter.com/_eill_
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