LADYBABYは唯一無二（池田菜々）

ーー4人体制となって最初のシングル「ホシノナイソラ」に対しては、どんな印象を持ってますか？

金子：いままでのLADYBABYにあるようでなかった曲だなって。LADYBABYの曲って“表面的には軽いけど、じつは重い意味が込められている”という感じが多かったんですよ。聴く人によって捉え方が違うというか。「ホシノナイソラ」はそうじゃなくて、4人体制になったことに対する決意が込められているんです。いまの私たちの心境が前向きに描かれているし、この4人だからこそ表現できる曲だなって。

有馬：私はシャウトしてるんですが、理江のラップと掛け合いがあったり、菜々のラップと重ねたり、MVでは風花とペアで踊るシーンもあって。そうやって一緒にやれるのが嬉しいですね。

唐沢：2番のサビが好きですね。〈あなたの今日が 幸せならいいと願った アカツキの空〉という歌詞なんですけど、最初に読んだとき「へー！」と思って。こういう歌詞を歌わせたいんだなというか。

金子・有馬：ハハハハハ！

池田：フォローしたほうがいいんじゃない？（笑）。

金子：（笑）。このシングルは、関わってくださった方々にすごく助けられたなって思います。ずっとLADYBABYを見てくれたみなさんが参加してくれたので、安心して任せられたいうか。作詞家さん、作曲家さんの名前を見せてもらった時点で舞い上がって（笑）、「お任せします！」という感じだったんですよ。私から「こういう曲が歌いたい」みたいな意見もまったく言ってないし、どの曲もすごく良くて。

池田：しかも、1曲1曲ぜんぜん違うんですよね。

ーー2曲目の「bite me」は大森靖子さんの作詞・作曲。

金子：「bite me」は私のことを書いている歌詞がけっこう多いのかなと思ってます。靖子ちゃんもずっとLADYBABYを気にかけてくれていたし、だからこそこういう歌詞を書いてくれたんだなって。悲しくもあり、前向きなところもあって、気持ちの切り替えることもできて。いろんな感情になれるところも靖子ちゃんらしいなと思います。『ビバラポップ！』（『VIVA LA ROCK』の一環として開催されたイベント。大森はプレゼンターを担当）の時期と重なっていたんですけど、本当に嬉しいですね。

唐沢：歌詞を読むだけですごくいいんですけど、理江ちゃんが歌うとさらにガン！　と伝わってくるんですよ。

金子：うれしい。

ーーライブで歌っているときも気持ちが入るのでは？

金子：全部グッときますね。サビのなかにある〈欲しいのは数じゃない　君の声〉は私が以前、インスタで発信した言葉だったり。あまりにも自分に近いので、歌っていて恥ずかしいところもありますね（笑）。私、もともと自分を出すのが得意じゃないんですよ。発信しなくちゃと思ってるからやってるけど、その捉え方も人それぞれだし、「まあ、どうでもいいか」と思うこともあって。そういうところも「bite me」の歌詞に出てますね。

ーー真意がそのまま伝わらないこともありますからね。

金子：それぞれの人生があるので（笑）。その瞬間は感情が高ぶるけど、冷静になって考えると「いろいろ言われるような場所にいるのは自分だから」って。音楽が好きだから、発信は続けたいとは思ってますけどね。そうやっていろんな気持ちをため込んで、一気に放出するのがライブなのかなって。

ーーそれが金子さんにとってのライブの意義なんですね。みなさんはどうですか？

池田：ライブは直でお客さんに会えるのがいいなって。みなさんの顔を見たら安心します。

有馬：じつはステージより練習のほうが好きなんですよ（笑）。ステージがあるから、それを目指して練習できるのが嬉しいなって。もちろんライブも好きです。お客さん、スタッフのみなさんと音楽と時間を共有できる、貴重な空間なので。

唐沢：ステージでパフォーマンスしている人って、キラキラしてるじゃないですか。私もステージに上がると顔がニコニコしてくるし、お客さんに「風花ちゃん！」と呼んでもらえるのも嬉しくて。「もしかしたら自分もキラキラしてるのかな」と思うと楽しいですね。

ーー3曲目の「ビリビリマネー feat. Ladybeard」はライブ映えしそうなアッパーチューン。

金子：「ニッポン饅頭」などを作ってくれた浅野尚志さんの曲なんですが、無条件に曲がいいし、ライブでも「ただ楽しい、ただ気持ちいい」という感じでパフォーマンスしたくて。この曲は私が振り付けさせてもらってるんです。「ホシノナイソラ」「bite me」は感情的な振り付けなんですが、「ビリビリマネー」はかなりラフな感じで踊っていて。ライブのときも楽しいよね？

唐沢：うん、楽しい。ちょっとふざけてる感じがあるのがいいなって。まだ破り切れていない殻をこの曲で破りたいです。

ーー振り付けは今後も続けていくんですか？

金子：いや、たぶんやらないです。

池田・有馬：（笑）。

金子：（笑）。気分が変わりやすいんですよ。ひとつ新しいことをやったら、次はまた別のことをやりたくなるので。たとえばMVを自分たちで撮るとか。振り付けをやるにしても、もっともっと知識を入れないとダメだと思うので。

ーー最後に今後のLADYBABYのビジョンについて聞かせてください。4人体制でスタートを切りましたが、どんなグループになっていきたいですか？

金子：LADYBABYがずっと背負っているのは「世界のルールを壊す」というテーマなんです。何のルールを壊すかは決まってないですけど、この4人にはいろいろなものを壊せる可能性を秘めていると思っていて。もちろん、限界はあると思いますけどね。たとえばマリリン・マンソンが好きな人が、LADYBABYみたいなアイドルの曲を聴くかと言えば……。

有馬：私はまさにそういう感じだったんですよ。マリリン・マンソンみたいな音楽が好きで、LADYBABYは自分のなかで異色だったんですけど、良さは理解していて。そのどちらの方向にも広げていきたいという気持ちはありますね。アイドルもバンドも関係なく。

唐沢：ジャンルに関わらず、いろんな人に支持されるグループになっていきたいです。LADYBABYはそういう可能性を秘めているアイドルだと思うので。

池田：最初に風花が言ったようにLADYBABYは唯一無二だと思っていて。ジャンルを超えてLADYBABYとして馴染んでいくといいなと思います。

金子：こちらから「こういうふうに捉えてください」と打ち出すのではなくて、勝手に解釈して感動してほしいですね。絵を描く人に「これはどういう絵ですか？」って聞くと嫌がると思うんです。それと同じで”デスボイス““ヘビィロック”みたいなことだけでLADYBABYを判断してほしくないなって。まあ、どこに向かうかはまったく読めてないんですけどね（笑）。とにかく「すごい立ち位置にいるグループだな」と思いますね。

（取材・文＝森朋之）

■リリース情報
『ホシノナイソラ』
発売：2018年5月30日（水）
＜初回限定盤（CD+DVD）＞ ￥1,667（税込）
（CD）
1.ホシノナイソラ
2.bite me
3.ホシノナイソラ -off vocal ver.-
4.bite me -off vocal ver.-
（DVD）
「ホシノナイソラ」Music Video & Making Video（予定）
＜通常盤（CD only）＞ ￥1,111（税込）
1.ホシノナイソラ
2.bite me
3.ビリビリマネー feat.Ladybeard
4.ホシノナイソラ -off vocal ver.-
5.bite me -off vocal ver.-
6.ビリビリマネー -off vocal ver.-

■ツアー情報
『LADYBABY TOUR2018【邂逅-REVENGE-】』
6月10日（日）千葉LOOK
6月16日（土）兵庫・Music Zoo KOBE 太陽と虎
6月17日（日）広島・HIROSHIMA BACK BEAT
6月24日（日）静岡・浜松FORCE
6月30日（土）埼玉・西川口Hearts
7月1日（日）神奈川・横浜BAYSIS
7月6日（金）北海道・札幌COLONY
7月14日（土）新潟GOLDEN PIGS BLACK
7月15日（日）福岡Queblick

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