Mr.Childrenは、今年で25周年に突入。配信限定のベストアルバム、それを冠した『Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25』と現在、周年の真っ只中だ。先日、ツアーの東京ドーム公演を観る機会があった。ミスチルのライブを観る度に思うのは、“進化し続けるライブバンド”であるということ。2001年、2012年に開催したベスト盤ツアーのタイトル名でミスチルは、“POPSAURUS”と自分達を例えているが、連なる名曲群の中にも、スタジアムバンドとして耐えうる、まるで恐竜のような骨太なサウンドが生きている。何よりも、桜井のとどまることを知らない体力と、歌唱力には驚くばかりだ。

　ツアーにて歌われ、MVとしても映像が公開されている新曲の「himawari」。尖ったギターに、うねるベース、激しく叩きつけるドラム。そして桜井が叫び歌うのは、強くも儚い、美しくも醜い、叶わない思い。「himawari」と「HANABI」。表裏一体の複雑な思いを描き切るところには、根底では変わらない、桜井の音楽制作にかける姿勢が見える。10周年、20周年、25周年と確かな足跡を踏み鳴らしてきたミスチルは、今もシーンの最前線で歩みを進めている。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター／編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter